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2009年3月28日土曜日

Microsft PowerPoint® 向けの文字教材サイトをオープンしました

「特別支援教育でのPowerPoint活用」というWebサイトを公開しました。

特別支援教育でのPowerPoint活用
http://www.microsoft.com/japan/enable/ppt/

このサイトでは,マイクロソフト社のプレゼンテーションソフトPowerPoint(パワーポイント)で作成した,授業などで使えるスライドの例を,その作成方法とともに紹介しています。

また,(これが個人的には目玉だと思っているのですが)小学校で学習するひらがな,カタカナ,数字,漢字のすべての文字を一画ごとに独立したパーツの組み合わせで構成したスライドを無償でダウンロードできます。長音符や小文字も含めて,1,182文字すべてをスライドとして用意しました。加工も自由にしていただけます。活用法方法も紹介しています。

この文字教材は口頭で説明するのが難しいので,ビデオを作ってみました。以下のような活用が可能です。このビデオはパワーポイントのプレゼンテーションを録画したもので,この教材を私が組み合わせて作成したものですので,同じようなものを作ることも可能です。





1年半くらい前に思いついて,公開までマイクロソフトさんを始め,いろいろな方々のご協力をいただいて,ずいぶんと時間がかかってしまいましたが,無事公開の運びとなりました。ご協力いただいた方々には,本当に感謝です。ありがとうございます。

障害のある子どもたちの学習場面ではもちろん,文字に関わる活動のいろいろなシーンで活用できると思います。すでにディスレクシアなどの困難のある子どもたちの学習場面で使ってみていただいた先生方から,子どもたちの嬉しいコメントをいただいています。

あっと驚く活用アイデアを思いつかれた方,ぜひ,教えてください。今後も,ウェブサイトや勉強会などでパワーポイントを活用したアイデアを共有していきたいと思います。

2009年3月24日火曜日

教科書バリアフリー法Q&A:読み書きに困難のある児童生徒の教科書へのアクセスを支援する

読書が好きな人であれば、書店で自由に好きな本を選んで購入することもできますし,図書館で本を借りて読書を楽しむこともできます。いずれにしても,たくさんの本のタイトルを見て回るうちに、ふと惹きつけれられる本に出会い,その読書を通じて自分の知らなかった世界の知識や経験,考え方に出会うことは、人生において本当に楽しく,かけがえのないことであると思います。

ところが,文字の読みに困難のある人の場合,このように書籍を読んで楽しむ,という活動が制限されています。

何らかの障害のために,読みに困難のある児童生徒が書籍にアクセスするためには,フォントの変更やフォントサイズの拡大,録音図書の作成,読み上げソフトウェアの利用などなど,障害の状態に合わせて多様な方法があります。しかしこれらの方法を実現するためには,まず何らかの形で,編集可能な書籍データ(テキストデータまたは図表の画像データ)を入手することが必須となります。

この,書籍データ入手についてですが,現在のところ以下のような方法が代表的と思われます。

・自ら手作業でスキャンまたはOCRしたデジタルデータを使う

・書籍を購入した上で,出版社に自分で問い合わせてデジタルデータを提供してもらう

・視覚障害者のみ登録可能な「ないーぶネット( https://www.naiiv.gr.jp/ )」に登録し点字データを利用する

・視覚障害者のみ登録可能な「びぶりおネット( http://www.nittento.or.jp/ROKUON/haisin.htm )」に登録し録音図書を利用する

・全国の図書館ごとに保有していることがある障害のある人が利用可能な録音図書を利用する(視覚障害のみ使える場合が主で,発達障害や肢体不自由などその他の障害での利用ができるところはまれ。大阪府立図書館は多様な障害者が利用するための録音図書コンテンツが豊富で有名)

・青空文庫( http://www.aozora.gr.jp/ )などの著作権切れ書籍データ・アーカイブを利用する

・商用の書籍データ販売サービスや,もともと録音図書として販売されている音声データを利用する

しかし一般の書籍で,一部アクセシビリティが確保されたものだけに限らず,勉強に関して必要な,教科書のデータについてはどうしたらいいか?という問題があります。それに関して,昨年「教科書バリアフリー法」という法律ができ,来年度からの適用開始を機に,少しずつ環境が整い始めています。

以下に,この法律に基づいて,障害のある子どものために教科書のデータを入手する上での疑問点とその回答を書いてみました。この内容については,私が種々の情報源から判断して書いたものですので,誤解も含まれているかもしれません。その場合はコメントいただけましたら幸いです。(また,このQ&Aの内容チェックには,この文末にもリンクしている筑波盲学校の宇野和博先生にもご意見いただきました。ありがとうございます!)


Q1. 教科書バリアフリー法とは何ですか?

A1. 視覚障害などが原因で,学校で使用されている通常の教科書の使用が難しい生徒のために,教科書出版社に対して,「文部科学省へのデジタルデータの提供」と「文部科学省が定める標準規格に基づく拡大教科書の発行の努力義務」が法律で決められました。それが「教科書バリアフリー法」です(2008年6月10日成立『障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律』)。

これまで,障害のある生徒に合わせた教科書を作成するためには,ボランティア団体などが,通常の教科書を手作業でスキャン・OCRして,または手入力でテキストを入力して,地域や学校ごとに特別な教科書(例:弱視の生徒向けの拡大教科書,読み書き障害のある生徒のための録音図書)を作っていました。この種の作業には,多大な労力とコストが掛かります。結果として,障害のある子どもたちには使える教科書が非常に得にくい,という状況を生んでいました。拡大教科書については数社から発行されてはいましたが,種類は少なく,とても十分とは言える状況ではありませんでした。

教科書バリアフリー法により,拡大教科書や点字教科書については,ボランティアが製作しなくても,教科書出版社から直接発行される可能性が生まれました。(点字については盲学校では既に出版社が発行しているそうです。)また,スキャンなどの手間を掛けなくても,出版社から提供されたデジタルデータをボランティア団体などの元に届けることができるようになりました。


Q2. いつから教科書バリアフリー法は適用されますか?

A2. 2009年4月の教科書から適用されます。


Q3. この法律は,拡大教科書や点字教科書,録音図書を作るためにしか適用されないのですか?PDFをそのまま,読み上げソフトやパソコンでの表示のために使用することはできませんか?

A3. 端的に言えば,ややグレーですがおそらく可能と思われます。もともとはPDFデータから拡大教科書や点字教科書,録音図書などいくつかの「特製の」教科書を作ることを想定した法律です。なので,データそのものを配布して,それを障害のある子どもが使用する,ということはあまり想定されていないようです。

教科書バリアフリー法は,もともとは視覚障害のある子どもための拡大教科書発行を教科書会社に義務づけることを目指す運動の中から生まれた法律です。しかし,その法律立案の過程で,視覚障害に対する限定は外されています(各所に「児童及び生徒が障害その他の特性の有無にかかわらず」という記述が見られます)。さらに,教科書出版社からのデジタルデータ(電磁的記録)提供の目的は,以下の第五条にあるように「教科用特定図書等の発行をする者」へデータを届けることと書かれています。ちなみに「教科書用特定図書等」とは,拡大教科書と点字教科書のことです(第二条で定義されています)。

「生徒の学習の用に供するため作成した教材であって検定教科用図書等に代えて使用し得るもの」とあるので,将来的な電子教科書を見据えて,PDFデータそのものを読み上げやパソコン画面での表示に使うなどの拡大解釈ができそうな様子ではあるようです。

法成立の経緯から,教科書バリアフリー法は拡大教科書や点字教科書を作成するための法律,という形になっているようです(教科書用特定図書「等」の解釈は微妙ですが)。しかし,随所に他の障害のある子どもへの配慮も見え隠れします。

まずこの法律の制定に伴い,著作権法も改定されました。障害を問わず,様々な障害のある生徒に教科書を提供するため,自由な方式で複製して良いことになりました。おそらく,読み上げやパソコンでの表示を考えた場合,以下のようなやりとりが生じると思われます。

教科書出版社「拡大教科書か点字教科書作るなら,文科省経由でデータ提供するよ。うちで出版する訳じゃないから,自分で編集して印刷してね。」教師やボランティア団体「ねぇねぇ,このデータ,生徒が読み上げソフトとか使うときにも使って良い?著作権法で障害のある子ども向けに教科書は複製して良いことになってるんだけど,読み上げに使うならまた自分でスキャンしてOCRしなさい,とは言われないよね?」教科書出版社「うーんと,それどうしようか・・・・」

最後の「・・・・」にはどんな回答が入るか,法律上の規定がないのでケースバイケースだと思われます。しかし,教科書バリアフリー法のもととなったともいえる「拡大教科書普及推進会議」の第一次報告では,「音声読み上げのコンピュータソフトを利用した、教科書に準ずる教材を障害のある児童生徒に向けて製作する非営利団体」も「認定ユーザー」として「データ管理機関(明示されていないがおそらく文科省初等中等教育局の関連だろうと思われる)」に登録することで,教科書データを利用可能と記載されています。この規定に準じるなら,事実上利用は可能でしょう。

教科書バリアフリー法と著作権法の改定を併せて考えると,特別支援の現場レベルでは,ディスレクシアや肢体不自由などの障害のある子どもが教科書にアクセスするためのデータの利用(例えば読み上げやパソコン画面での表示)についても,適用可能なケースが生まれるよう,どんどん試してみることが大事と思われます。

また実際に,第七条では,発達障害『等』のある児童生徒に関する調査研究の推進も明言されており,今後の法改正次第では,拡大や点字以外にも,様々な方法の使用を法的にバックアップする方向に動いていくと思われます。


Q4. 小中学校(義務教育)の検定教科書だけしかデータ提供を申請できないのですか?高校生の教科書にも適用されますか?

A4. 検定教科書であれば,小中学校及び高校まで,データ提供を申請可能です。また小中学校だけでは,教科書用特定図書等を作成するためにかかるコストを,国と地方公共団体が負担することになりました(義務教育での教科書無償法に基づく)。そのためデータの提供は義務教育だけに制限されているように思われますが,実際にはそうではありません。予算措置がないだけで,高校であっても検定教科書であればデータ提供を申請することができます。

しかし,拡大教科書普及推進会議の第一次報告に戻ると,拡大教科書に関わるデータの提供は小中学校に限るという記述があり,高校については今後の検討課題として残された問題となっています。しかしながら,教科書バリアフリー法では高校の検定教科書についても,差別無くデータ提供の範疇とするようになっているため,高校の検定教科書についてデータの提供を文科省に申請すれば,データの入手が可能でしょう。その場合,データセンターに高等学校名で登録を行う必要があります。


Q5. 参考書などの副読本にも適用されますか?

A5. 現時点では,検定教科書に限定されています。参考書などの副読本は,学習において非常に重要なものですが,現在のところはこの法律ではサポートされていません。この問題については多くの関係者に認識されています。今後の改正が望まれます(実際のところ,包括的な著作権法の改訂などが進んでいます)。


Q6. 障害のある子どもに合わせた特別な教科書を作る際の予算は補助されますか?

A6. 小中学校では,教科書用特定図書等を作成するための予算は国と地方公共団体により全額補助されます。


Q7. 障害のある子どもに使用するための教科書データの提供は,誰でも申請することができますか?またはどこか問い合わせ窓口がありますか?

A7. 申請は個人ではできません。また,窓口は文科省(データ管理機関内)にあります。教科書バリアフリー法第十六条では,校長や市町村の教育委員会からの拡大教科書の需要報告を,都道府県の教育委員会がとりまとめて文部科学大臣に報告することが定められています。しかしこれは,予算措置の必要な拡大教科書の作成のために必要な手続きと思われます。

実際には,生徒からの支援ニーズに気づいた人(学校の先生など,団体に所属する人)が,データ入手への申請を含め積極的に動く必要があるだろうと思われます。

法律には明記されていませんが,「拡大教科書普及推進会議 第一次報告」には,教科書データを管理するのは「文部科学大臣が指定するデータ管理機関」という記述が見られます。従って文科省がデータを管理すると考えて問題ないと思います。個別の問い合わせは,基本的にこちらに行うことになるでしょう。Q3にも書きましたが,「認定ユーザー」として登録した団体であれば,データ管理機関からデータ提供を受けられるでしょう。また登録を必要としているのは,このデータを不用意に拡散流通させてしまった場合,罰則が適用されるためです。


Q8. データはどのような形で提供されますか?

A8. PDF形式でCD-ROMに保存されたものが提供されることが「拡大教科書普及推進会議 第一次報告」に記載されています。したがって,文字データ及び画像データ,表などすべて,販売されている検定教科書どおりのレイアウトのものが入手可能です。そこから教科書内部のテキストデータや画像データにアクセスすることができます。


Q9. 問い合わせなくても利用可能な教科書データはないのでしょうか?

A9. 三省堂の「聞く教科書シリーズ」は,音声データで販売されています。中学校教科書では英語が,高校教科書では英語,世界史,日本史,政経が販売されています( http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/ab/data/lis-text.html )。


<情報源>

障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/announce/H20HO081.html

著作権法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

拡大教科書普及推進会議(文科省初等中等教育)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/048/index.htm
※ 平成21年2月17日現在,第一次報告が掲載されていませんが,LD親の会のページにPDFが置かれています。
→ 拡大教科書普及推進会議報告 拡大教科書普及推進会議(LDニュース)
http://shibuya.cool.ne.jp/ldnews/pdf/20081205.pdf

教科書のバリアフリー化に向けて一歩前進(障害者放送協議会著作権委員会委員長 井上芳郎氏)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/daisy/event20081101/inoue_text.html

「拡大教科書」に関する現状と今後の課題(筑波大学附属視覚特別支援学校学校 宇野和博氏)
http://www.lv-club.jp/hosyo/kousatu/kadai(081207).html

以上

2008年12月17日水曜日

空気を読むSST,シンボルと写真の活用(外国人向け日本語教育の素材を特別支援教育に生かす)

外国人を対象とした日本語教育を支援するサイトで,とても素晴らしい素材が公開されていました。

特別支援教育関連ではなく,日本語教育の教材なのでつい見落としていましたが,教育目的では自由に使用できる無料素材なので,これを使わない手はありませんね。

みんなの教材サイト
http://minnanokyozai.jp/

上記のサイトでは,会員登録(無料)してログインすると,様々な素材を使用できるようになります。利用者として日本語教師を想定してサイトが作られていますが,別段日本語教師でなくても,誰でも登録して使うことができるようです。


7,700を超えるイラスト素材を公開

例えば,イラスト素材については,「教科書を作ろう」イラスト406点,「CASTEL/J」イラスト6,795点,「UME」イラスト219点,「初級語彙イラスト集」イラスト308点が公開されていました。

いずれも,名詞はもちろん動詞を表すイラスト素材が充実しています。ちなみに初級語彙イラストはすべて動詞です。「あいさつします」「合います」「会います」「上がります(エレベーター)」「上がります(気温)」のように,動詞に対応したイラストがダウンロードできます。

まさにこれ,自閉症などコミュニケーション支援用のシンボルとして使えますね。


状況説明付き生活場面の写真素材が500枚以上

そしてこれ,この写真素材はすごいですよ。驚きました。日本人の生活に関連する場面を描写した写真が,その状況や社会的,文化的な意味を説明した文章付きで公開されていました。


衣食住と道具
衣類、飲食物、住居、道具、の四つのテーマ・・・日本人が日常生活でよく使用する あるいは目にする「もの」の写真,名詞の写真107枚

社会生活
報道・通信、医療・サービス、交通、行政、経済活動、教育、の六つのテーマ・・・日本社会における様々なサービスとそれが行われる場所を紹介する写真114枚

自然と余暇
季節・気象、地形、動植物、教養・娯楽、スポーツ、観光地、の六つのテーマ・・・日本の自然と観光地、日本人の余暇を紹介する写真49枚

行事
年中行事、冠婚葬祭、の二つのテーマ・・・日本の主な年中行事と祭り、冠婚葬祭を紹介する写真98枚

日常生活
起床・睡眠食事、美容・健康、通学・通勤、勉強、仕事、家事、交際、趣味・遊び、の九つのテーマ・・・四つの家族の構成を表す写真と、それらの家族の日常生活を紹介する写真,動詞の写真147枚


上記のように充実しているところもすごいのですが,以下,ちょっと見てみてください。「日常生活/仕事」カテゴリにある「名刺交換」のページのスクリーンショットを撮ってきました。注目すべきは,このページの「発展解説」の部分なんです。


仕(し)事(ごと)で初(はじ)めて人(ひと)に会(あ)うときには、ふつう、名(めい)刺(し)を交(こう)換(かん)します。訪(ほう)問(もん)先(さき)では客(きゃく)から先(さき)に、立(た)ったまま、名(めい)刺(し)を受(う)け取(と)る人(ひと)が読(よ)めるように向(む)けて、片(かた)手(て)を添(そ)えて両(りょう)手(て)で出(だ)します。受(う)け取(と)るほうも両(りょう)手(て)を使(つか)います。受(う)け取(と)った名(めい)刺(し)は、すぐにポケットなどにしまわず、テーブルの上(うえ)などに置(お)いておきます。その場(ば)では名(めい)刺(し)にメモなど書(か)かないようにします。
 名(めい)刺(し)には、所(しょ)属(ぞく)、役職(やくしょく)、名(な)前(まえ)、会(かい)社(しゃ)の住所(じゅうしょ)、電(でん)話(わ)番(ばん)号(ごう)、メールアドレスなどが書(か)いてあります。
 また、あいさつをするときには、ふつう、おじぎをします。おじぎは体(からだ)を30度(ど)ぐらい曲(ま)げ、頭(あたま)を軽(かる)く下(さ)げます。


内容的には「日本人が名刺交換する習慣とその作法」が説明してあります(このサイトの文字には上記のような形で全ての漢字にルビが振ってあるので,少々読みにくいかもしれません)。

他にもこの調子で,写真とともに説明が示されています。例えば「交際」カテゴリのトピックを引用してみると,以下の18件が登録されていました。

「食後のだんらんをする」
「朝のあいさつをする」
「母親同士でおしゃべりをする」
「誕生日会をする」
「手紙を書く」
「手紙を出す」
「デートをする」
「若者同士で時間をつぶす」
「飲み会をする」
「電話をかける」
「訪問する」
「会社の人と酒を飲む」
「ゴルフをする」
「相談する(公民館)」
「相談する(喫茶店)」
「カラオケで歌う」
「結婚式に出席する」
「葬式に行く」


以前,ある自閉症スペクトラム当事者の方とのやりとりのなかで「外国人向けに書かれた日本事情の本が,発達障害のあるある人にとって『空気を読む(いわゆる暗黙のルールを知る)』ことに役立つよね」という話をしました。このサイトの情報は,まさにこうした目的にも役立てられるのではと可能性を感じています。

そもそも外国の言葉を学ぶときには,言語自体を学ぶ以外に,背景情報としてその国の文化や習慣を学ぶことがとても重要です。しかもたいがい,文化や習慣は国ごとに大きく違うので,異文化の人にとって,文化習慣を学び,理解することはとても難しい。そこで外国人に言葉を教えるときには,わかりやすい教材を作る必要がある,というニーズが生じてきます。

日本生まれの日本育ちでも,物事の受け止め方に周囲とのギャップを感じたり,理解の難しい「暗黙のルール」に苦しんでいる発達障害のある人々にとっては,こうした教材に誰でも自由に触れられるようになると本当に役に立つと思います。

※ちなみにこのサイトでは,日本語の文字のアニメーション教材なども見ることができます。読み書き障害の支援にとっても役立つ教材です。









2008年12月8日月曜日

ATACカンファレンス京都2008お疲れ様でした

今年も12月5〜7日とATACカンファレンスで講師を務めさせていただきました。ご参加いただいた皆さん,ありがとうございました。

ATACカンファレンス京都2008

ATACは講師と参加者の方々の距離が近いので,終わった後にいろいろなご意見いただけたりと講師にとってもとても楽しいイベントです。たくさんのアイデアと元気をいただきました。また来年,京都でお会いできればうれしいです。

私が講師を務めたセミナーのリスト:

1)12月5日 10:00〜16:45 プリカンファレンス(講師)
「相手に正しく自分の見たことを伝えることが出来ますか?〜福祉や教育に役立つ科学的観察と記録の方法を学ぶ〜」

2)12月6日 11:20〜,13:20〜(各30分間)
LivingLibrary(むーんらいずさんの辞書役)

3)12月6日 15:20〜16:20(講師)
「思考を整理する技術 〜マッピングソフト入門〜」

4)12月7日 9:30〜10:30(講師)
「ケータイを活用する」

5)12月7日 11:00〜12:00(講師)
「Windowsの秘密 -肢体不自由・視覚障害の人に便利な機能-」

6)12月7日 13:00〜14:00(講師)
「障害のある高校生を大学へ〜合格へ向けての合理的配慮の申請とは〜」

7)12月7日 14:30〜15:30(講師)
「パワーポイントでうまれる教材」

2008年10月7日火曜日

オンラインの大学講義公開・まとめ記事

オンラインで講義を公開している大学のサイトについて、とても良くまとまったブログ記事がありました。「ひげぽん」さんのまとめ記事です。

オンラインで動画・音声・教科書を無料で公開している大学の講義・授業まとめ

http://d.hatena.ne.jp/higepon/20080929/1222686239

日本と海外の公開された授業サイトへのリンクの他、動画・講義資料などの公開されている情報種別や、講義の科目例もまとめられています。素晴らしい!

東大の講義も、本当にたくさんの専門に渡ってビデオ公開されていますから、どんな分野に進もうかと考えている高校生の皆さんにとっても、大学の雰囲気を感じるいいツールになると思います。

2008年9月23日火曜日

スタンフォード大学の工学コースがネット公開

素晴らしい試みが始まりました。スタンフォード大学の工学コースで行われている授業の一部が、ネット上で公開されました。

Stanford Engineering Everywhere
http://see.stanford.edu/default.aspx

・コンピュータサイエンス入門(プログラミング関連)
・人工知能(自然言語処理、機械学習など)
・線形システムと最適化(フーリエ解析など)

私は工学系の大学出身ではないのでよくわからないのですが、おそらく上記は工学系の学生が大学に入学して比較的初期に学ぶ事柄だと思います。しかし内容はスタンフォード品質ですから、きっと良質なものなのではと思います。

授業の様子はYouTubeなど動画で公開されているのに加え、講師の話もすべて文字原稿として書き起こされたものを見ることができます。両方ダウンロードしてiPodで見ることも考慮されたといえる作りになっています。

これはすごいですね。発達障害や視覚障害など多様な障害のために、授業に参加することが難しい学生たちにはもちろん、多くの人々にとって意義のある教育サービスだと思います。

2008年6月2日月曜日

注意の障害のある子どもを支援する

こちらもすでに既刊となっていますが,月刊実践障害児教育の6月号では,「注意の障害」に焦点を当てて,テクノロジーによる支援の方法をいくつか紹介しています.

基本的には,「プレゼンテーションツールの活用で注目をうながす方法」と「過剰な刺激を制限するグッズで落ち着きを助ける方法」を中心に紹介しています.

ADHDの障害特性はこうだから,とか,発達障害の障害種別にはこだわらずに,授業場面で注意に困難を抱える子どもたちがどんなことで困っているか,またそれをサポートするためにはどうする?という視点でまとめています.

実践コーナーでは,マイクロソフト社のパワーポイントを使って,実際に注目を促す教材を作る方法を紹介しています(サンプルデータも配布しています).

良かったら手に取ってみてください.

読み書きに障害のある子どもを支援する

月刊 実践障害児教育」という雑誌で,発達障害のある子どもをテクノロジーで支援する方法についての連載をしています.

「テクノロジーで支援する発達障害のある子の困り感」という連載タイトルで,4月号から7回ものの連載です.初回の4月号は中邑賢龍先生(東京大学先端科学技術研究センター)に総括的なレビューをいただき,5月号からバトンタッチして私が各論的なお話しをしています.

コンセプトは「すぐに試せる」ということなので,あまり難しいテクノロジーの話に傾きすぎずに,無料で,すぐに実践してみることができるものを紹介しています.

5月号は,「読み書きに障害のある子どもを支援する」というタイトルで,読みを楽にする読み上げソフトや音声図書,文字入力を楽にする推測入力や,ICレコーダの活用などの紹介をしました.

記事中の体験コーナーでは,「Natural Reader」という,無料で試せる読み上げソフトと,HOYA社製の高性能な音声合成エンジンの体験方法を説明しました.
(この音声エンジンには何種類もラインナップがあり,おすすめはMisakiという音声エンジンです.でもこの夏,あたらしいHarukaという音声エンジンが登場するそうで,とても楽しみにしています.)

書店や図書館で読んでいただけたら嬉しいです.

2008年5月23日金曜日

DO-IT Japan 2008 参加者募集中!

昨年の第1回に続き,今年もDO-ITの季節がやってきました.
全国の障害や困難のある高校生の皆さん,東大で大学体験してみませんか?
どしどしご応募くださいませ.


障害のある高校生のための大学体験プログラム
DO-IT Japan 2008開催のご案内
(2008年7月23-27日)

「障害のある高校生のための大学体験プログラム『DO-IT Japan 2008』」が下記のとおり、東京大学先端科学技術研究センターにて開催されます。このプログラムでは、全国から選抜された障害のある高校生・高卒者にコンピュータとその人の障害に応じた支援機器を提供し、大学進学や将来の就職といった本人の希望の実現を支援します。

参加者は5日間の大学体験プログラムの中で親元を離れ、大学や企業で講義を受けるとともに、社会で活躍する障害のある人々との交流を図ります。さらに、その後のオンラインメンタリングを通じて、進路について自分自身で考え、選択するのに必要な知識や能力を身につけます。

DO-ITとは、Disabilities(障害)、Opportunities(機会)、Internetworking(インターネット利用)、Technology(テクノロジー)の頭文字をとったもので、最新のテクノロジーを活用しながら、大学進学と就労を目指す障害のある若者の自己実現と、多様性に対して開かれた社会の実現への寄与を目的として16年前に米国で誕生し、独自の取り組みを含めて昨年度日本で初めて実施されました。



日時: 2008年7月23日(水)~27日(日)
場所: 東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区駒場4-6-1)
対象:大学進学を目指す障害のある高校生、高卒者
    (学年・障害の種類や程度・希望大学は問いません)
募集人数:約10名(応募受付は5月1日~31日)
参加費用:旅費と食費(参加費、宿泊代、機器利用料はDO-IT Japanが負担)
主催:DO-IT Japan、東京大学先端科学技術研究センター
共催:マイクロソフト株式会社
協力:ソフトバンクモバイル株式会社,株式会社トヨタレンタリース東京 他
後援:厚生労働省(申請中)、文部科学省(申請中)
学習テーマ:
・ 大学を知る(講義と研究室訪問)
・ITスキルの習得
・障害の理解
・暮らしのイメージをつかむ
・コミュニケーションの技法

応募書類を下記のホームページよりダウンロードいただけます。
DO-IT Japan(http://doit-japan.org/

事務局
TEL:03-5452-5490・090-8711-8522
FAX:03-5452-5490
E-mail:info@doit-japan.org

2007年10月18日木曜日

大学の授業のビデオ公開


大学の授業のビデオストリーミング公開って、結構進んでいるんですね。最近、UCバークレーがYouTubeで授業を公開して話題を呼びましたが、実は日本の大学も授業ビデオを公開しています。連絡会まで作っているそうです。東大はもちろん登録されていますが、京大や同志社など関西の大学が多いです。

UCBerkeley、YouTubeで授業公開
http://jp.youtube.com/ucberkeley

日本OCWコンソーシアム
http://www.jocw.jp/index_j.htm

発達障害のある人では、その障害のために、授業に毎回通うことが難しかったり、授業に参加してもその場で内容を効率よく理解することが難しかったりします。そのため一般の大学にはなかなか通いにくく、通信課程を選んでいる人も少なからずいるようです。

大学進学を考えている発達障害の人は、こうしたサービスで大学の雰囲気をまずつかんでみてはどうでしょうか。

現在は通信教育課程ときっちり切り分けられているので無理ですが、将来大学に足を運ばなくても、こういうサービスで単位が認定されるようになるといいですね。