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2009年3月26日木曜日

メールなど画面内容をすべて読み上げてくれる携帯電話

視覚障害者の世界では誰もが知っていることになってきていますが,読み書き障害の世界ではあまり知られていないかもしれないと思い,テキスト読み上げ機能のある携帯電話のご紹介です。

ドコモから発売されている「らくらくホン」シリーズには,すべての機種に読み上げ機能が標準搭載されています。文字が読めなくても,携帯電話がメールや画面の操作項目などを,すべて音声で読み上げてくれます。

視覚障害者向け,として開発された携帯電話ですが,ディスレクシアなど読みに困難のある人々にとって役立つものです。

それから「詳細読み」といって,文字入力をするときに例えば「発達」と入力したとき,「はったつのハツ,そくたつのタツ」と読み上げて,漢字が正しいかどうかの手がかりを示すといった機能もあります。

ドコモのらくらくホンのサイトは以下にあります。らくらくホンシリーズには高機能なものから簡易版までいくつものラインナップがありますが,すべてに読み上げ機能があります。

NTTドコモ:らくらくホン
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/easy_phone/


以下の総務省のサイト(NICT内,情報バリアフリーのための情報提供サイト)には,らくらくホンの解説記事が掲載されていますので参考にしてみてください。

「らくらくホン」は、音声読み上げ機能がついたユニバーサルデザインの携帯電話です
http://barrierfree.nict.go.jp/topic/service/20090309/


初期のころはメール作成時の文字は読めなかったり、メニューも一部だったりというスモールスタートでした。今では画面や、iモードの中に表示されるインターネットのコンテンツも読み上げますし、メール作成などの文字入力の時には漢字変換の詳細読みの対応もしています。毎回、視覚に障がいをお持ちのお客さまからいただいた要望をなるべく反映させていただく形で、少しずつですが機能の改善を進めて今に至っています。

http://barrierfree.nict.go.jp/topic/service/20090309/page3.html



読み書き障害のある人で,試してみた方はご意見聞かせてくださいね。

2009年2月25日水曜日

読み上げ支援:SAPI5に対応したTextToWav

以前,読み上げソフトについての質問あれこれで紹介した「Text To Wav」がバージョンアップして,SAPI5対応になっていました。フリーウェアな上に高機能で,背景の文字を簡単に拡大縮小できたり,背景色を変えたり,読み上げ速度を変更したりといった操作ができます。


読み上げソフト開発と音声学習
http://noah0.blog119.fc2.com/
※上記のブログの左側に,「Download」と書かれたリンクがあり,そちらからTextToWavをダウンロードできます。



上記がTextToWavのスクリーンショットです。

  • 画面左上端「MS UI Gothic」と書かれているフォント名の左隣にあるスライダーを,マウスでドラッグして左右に動かすことで,テキスト領域のフォントサイズを変更できます。
  • 「一時停止(||)」ボタンの左右にある「巻き戻し(<|)」,「早送り(|>)」ボタンを押すと,一文ずつ読み上げする文を先に進めたり,前に戻したりできます。読み上げている文は背景色が変わるので,どこを読み上げているのかわかりやすくていいですね。
    ※Natural Readerでは,読み上げている段落全体の背景色を変え,加えて読み上げている単語近辺の背景色を変えていきます。この辺りの微妙な仕様の違いが,TextToWavとNatural Readerのどちらを使うか好みの分かれるところでしょう。
  • 画面右上部の「Rate」の右隣のスライダーを左右に動かすことで,読み上げの速度を変更することができます。MISAKIだと15倍まで加速できますが,ここまでくるともう何をしゃべってくれているのかさっぱりわかりません(^^;)。

    作者のNoahさん,このような有用なソフトを公開してくださり,ありがとうございます。
  • 2008年12月8日月曜日

    ATACカンファレンス京都2008お疲れ様でした

    今年も12月5〜7日とATACカンファレンスで講師を務めさせていただきました。ご参加いただいた皆さん,ありがとうございました。

    ATACカンファレンス京都2008

    ATACは講師と参加者の方々の距離が近いので,終わった後にいろいろなご意見いただけたりと講師にとってもとても楽しいイベントです。たくさんのアイデアと元気をいただきました。また来年,京都でお会いできればうれしいです。

    私が講師を務めたセミナーのリスト:

    1)12月5日 10:00〜16:45 プリカンファレンス(講師)
    「相手に正しく自分の見たことを伝えることが出来ますか?〜福祉や教育に役立つ科学的観察と記録の方法を学ぶ〜」

    2)12月6日 11:20〜,13:20〜(各30分間)
    LivingLibrary(むーんらいずさんの辞書役)

    3)12月6日 15:20〜16:20(講師)
    「思考を整理する技術 〜マッピングソフト入門〜」

    4)12月7日 9:30〜10:30(講師)
    「ケータイを活用する」

    5)12月7日 11:00〜12:00(講師)
    「Windowsの秘密 -肢体不自由・視覚障害の人に便利な機能-」

    6)12月7日 13:00〜14:00(講師)
    「障害のある高校生を大学へ〜合格へ向けての合理的配慮の申請とは〜」

    7)12月7日 14:30〜15:30(講師)
    「パワーポイントでうまれる教材」

    2008年7月8日火曜日

    読み上げソフトについての質問あれこれ

    今回は、読み上げソフトをいくつか紹介する中で、Windows環境で読み上げソフトを使う上でわかりにくい点をまとめてみます。(以前「実践障害児教育」に掲載した「読み書きの困難を支援する」の記事について、さらに進んだ説明でもあります。)

    Q. 読み上げソフトにはどんなものがあるの?

     海外のものも含めて、沢山のソフトが公開されていますが、私が実際に使ってみたり、紹介してもらったりして、読みに困難のある子どもたちに便利だと思った3つのソフトを紹介します。

    読み上げソフトとは、実際には「音声エンジン」と、その音声エンジンをコントロールしたり、文字の表示をいろいろと工夫してくれたりする「読み上げソフト」の組み合わせから成っています。音声品質としておすすめは1番目の組み合わせですが、音声品質は劣るとはいえ、読み上げを無料ですぐに試すには3番目の組み合わせを試してみてください。


    1) Natural Reader ←個人的なおすすめ

    入手先:http://www.naturalreaders.com/



    長所

    1. ハイライト表示機能がある。読み上げている場所、読み上げている単語を、背景と文字の色を変えて表示(ハイライト表示)してくれる。そのため、文章のどこを読み上げているのかがわかりやすい。
    2. 操作がシンプルでわかりやすい。基本的に画面に表示されているのは、再生・停止ボタンと速度調整(Speed)、音声エンジン選択(Speeker)だけで、それだけ操作できればよい、という割り切ったシンプルさ。
    3. 表示するフォント、文字の大きさも変更できるので、極端に大きな文字にして見やすくするなどの工夫もできる(メニューの「Control」→「Sttings」→「Font」タブ→「Change Font」ボタンを押す)。
    4. 有償だが、SAPI5に対応する日本語エンジン(説明は後述)の中には、非常に流ちょうに日本語や英語を読み上げるものが登場している。
    5. 無料であること。


    短所

    1. 英語の音声エンジンは(あまり流ちょうとはいえないが)付属しているものの、日本語の音声エンジンを別途インストールしないと、日本語読み上げには使用することができない。
      → 日本語の音声エンジンは、「SAPI 5」に対応した音声エンジンが必要。この説明は後述します。

    2. 海外製品なので、ダウンロードして入手するとき、インストールするとき、画面のメニュー、設定画面などが英語。
      →実際には画面の指示に従えばインストールもできますし、操作も、読み上げたい文書を貼り付けて、再生・停止ボタンを押すだけなのですが、やはりメニューなどが英語だと敬遠されがちです。




    2) MO Speech

    入手先:http://www.laboreconomics.org/



    長所

    1. 操作が極めてシンプル。とにかく読み上げたい文字列の範囲を選択してコピーすると即座に読み上げ。
    2. 無料であること。


    短所

    1. 読み上げエンジンは全く付属していないので、自分でSAPI5に対応した音声エンジンを導入する必要がある。



    3) Text to Wav

    入手先:http://noah0.blog119.fc2.com/
    ※Special thanks to TK先生・・・このソフトを教えていただきました。ありがとうございますm(_ _)m




    長所

    1. 多機能。句点ごとに一文ずつ読み上げてくれたり、画面の文字サイズをつまみを調節するだけで拡大縮小できたり、背景やフォントの色をボタンひとつで好みのものに変えたり、読み上げた音声をMP3(音声ファイル)に出力できたり、のように多彩な機能がある。
    2. 対応する日本語音声エンジンを、無償で手に入れることができる。とにかく読み上げソフトを使ってみたいならまずはこのソフトを使うべし。
    3. 作者の方が日本人なので、ネット上に日本語の説明書がある。
    4. 無料である。


    短所

    1. 読み上げエンジンは付属していないので、自分で「SAPI4」に対応した音声エンジンを導入する必要がある。
    2. SAPI4の日本語や英語の音声エンジンには、あまり流ちょうに読み上げるものがないので、読み上げ音声の品質は良いとはいえない。
      ※作者のNoahさんがSAPI5対応をTODOに挙げておられます。とても素晴らしいソフトなので、SAPI5対応を首をなが〜くしてお待ちしております!

    3. メニューなどが英語表記。



    Q. 日本語音声エンジンの入手方法は?

    日本語音声エンジンを使う、とひとことで言っても、SAPI(Speech API:Windows上で動くソフトウェアに読み上げ機能を提供する仕組み。音声エンジンもこれに含まれる)のバージョンによって、いくぶん違いがあります。

    このSAPIには、大きく分けてバージョン「4」と「5」が」あります。

    SAPI5対応の音声エンジンを手に入れる

    最近のWindows用のソフトウェアで使われている音声エンジンは、基本的にこちらのバージョンのものになります。今回紹介したソフトの中では、Natural ReaderとMO SpheechはSAPI5に対応した音声エンジンが必要です。

    日本語でSAPI5に対応した音声エンジンを入手するためには、Microsoft Office 2003に付属の読み上げ機能をインストールするか、市販の日本語対応音声エンジンを入手してインストールする必要があります。(編注:XP→2003に改めました。しかしながら、この辺ちょっとよく把握していません。XPにはSAPI4の日本語音声エンジンが付属していて、2003にはSAPI5だったかもしれません。どちらも手元になく確認ができませんでした。)

    市販のものでは、例えば、XP Navo(ナレッジクリエーション社製)を購入して、これに付属しているSAPI5対応の音声エンジンを導入すると良いでしょう。このXP Navoには、個人的におすすめの音声エンジン「Misaki(日本語、女性)」のほか、「Show(日本語、男性)」「Miyu(日本語、女性)」「Kate(英語、女性)」の4つ(いずれもペンタックス製の音声エンジン)が含まれています。

    ペンタックスの音声エンジンは、http://voice.pentax.jp/でデモンストレーションを試してみることができます。驚くほど読み上げ品質が高い日本語音声エンジンです。Misakiの音声は私の周りにいるユーザの間でも人気です。私もお気に入りだったりします。

    SAPI4の音声エンジンを手に入れる

    ちょっと古いバージョンなのですが、SAPI4に対応した日本語音声エンジンは、ウェブ上でダウンロードして入手することができます。さらに、前述した高機能な読み上げソフトウェア「Text to Wav」はSAPI4にのみ、対応しています。このソフトを使おうと思ったときには、SAPI4の音声エンジンを入手しておく必要があります。

    この入手方法についても、Text to Wavのページで詳細に説明してあります。http://noah.ninja-web.net/soft/texttowav.htmlを開き、左のメニューにある「FAQ」をクリックしてください。その一番上、「起動時にエラーメッセージが表示されて終了してしまいました。」をクリックすると、SAPI4の入手とインストール方法が説明してあります。


    (以上)

    2008年6月2日月曜日

    読み書きに障害のある子どもを支援する

    月刊 実践障害児教育」という雑誌で,発達障害のある子どもをテクノロジーで支援する方法についての連載をしています.

    「テクノロジーで支援する発達障害のある子の困り感」という連載タイトルで,4月号から7回ものの連載です.初回の4月号は中邑賢龍先生(東京大学先端科学技術研究センター)に総括的なレビューをいただき,5月号からバトンタッチして私が各論的なお話しをしています.

    コンセプトは「すぐに試せる」ということなので,あまり難しいテクノロジーの話に傾きすぎずに,無料で,すぐに実践してみることができるものを紹介しています.

    5月号は,「読み書きに障害のある子どもを支援する」というタイトルで,読みを楽にする読み上げソフトや音声図書,文字入力を楽にする推測入力や,ICレコーダの活用などの紹介をしました.

    記事中の体験コーナーでは,「Natural Reader」という,無料で試せる読み上げソフトと,HOYA社製の高性能な音声合成エンジンの体験方法を説明しました.
    (この音声エンジンには何種類もラインナップがあり,おすすめはMisakiという音声エンジンです.でもこの夏,あたらしいHarukaという音声エンジンが登場するそうで,とても楽しみにしています.)

    書店や図書館で読んでいただけたら嬉しいです.