2008年1月19日土曜日

音や騒がしさに対して敏感過ぎて辛いときには?

聴覚性の感覚過敏,作業への集中困難を感じたことがありませんか?

発達障害,特に自閉症スペクトラム障害には,聴覚や視覚,触覚など,感覚に過敏症がある人がいます。聴覚過敏はよく知られている困難さで,騒がしい場所や突発的な音,または特定の音の種類(赤ちゃんの泣き声,金属音など人によって様々)などに対して強い不快・ストレスを感じることがあります。強い過敏性のある人では,作業への集中が難しくなったり,重い場合は騒音のある場所への外出が困難になる場合もあります。そうした聴覚の過敏性のある人には,いくつか便利なツールがあります。

(1)ノイズキャンセリングヘッドフォン
(2)特殊耳栓,イヤーマフ各種
(参考:安全モール http://www.anzen.ne.jp/soundproof/category_soundproof.html)



図1. BOSE社製 クワイアット・コンフォート2



図2. 各種耳栓

ノイズキャンセリングヘッドフォンは,周囲の音のうち,エアコンやパソコンのファンの音,電車や飛行機で移動しているときの騒音などなど,持続的な騒音を選択的に低減してくれる機器です。人の話し声や,突発的な音などはそれほど低減しません。個人的な感想ですが,各社から発売されている製品のうち,BOSEのクワイアットコンフォート・シリーズのノイズ低減機能は出色の出来だと思います。ただし,価格も最も高価ですが・・・。

ただ,このヘッドフォンの良いところは,自閉症児などにも使われることの多い遮音性の高いイヤーマフと違って,ヘッドフォンのサイズがとても小さく,一般的なヘッドフォンと違いのないところです。ヘッドフォンの耳を覆う部分自体が遮音性を持つ素材できているタイプの製品は,私も持っていますが非常に大きくて目立つなあと思うことがあります(刑事ドラマなんかで,射撃場で銃声の爆音から耳を守るためにつけるイヤーマフと同じようなものですし)。

ポリウレタンなど特殊な樹脂で出来た柔らかい耳栓は,指でつぶして細くした後に,耳穴に差し込むと,段々と元の大きさに戻るので,耳穴全体をきれいにふさいでくれます。そのため遮音性能がとても素晴らしいです。値段も一個百円以下のものもあり,とても手頃です。

一度テストのためにと,耳栓をつけたままで街を歩き,電車に乗ったのですが,私自身,日頃いかにちょっとした物音に注意を奪われているかがよくわかり,とても驚きました。やってみて初めてわかることはやはりあるのだなと思いました。周囲の音に無駄に注意を引きつけられることがなくなると,私の場合はいつもより落ち着いて移動することができました。電車での移動の時にも周囲のざわざわした音や電車のガタンゴトンという音が気にならなくなり,随分ストレスが少なくなったように感じました。

※要注意点!ただし,耳栓は危険回避のために必要な音まで遮断してしまうのが玉にキズ。外で移動するときには,近づいてくる車などを見落としてしまうことがあるかもしれませんので,屋外での使用は要注意です。耳栓を屋外で使用することは私は推奨しません。諸刃の刃ですね。この辺りの安全性と遮音性のトレードオフについては,最適な基準に関わる見解について研究をせねばと思っています。

発達障害への適用ポイント

・移動中など,音が聞こえないこととが問題になるような場面で,遮音性の高すぎる樹脂製の耳栓等の着用は注意を要しましょう。ノイズキャンセリングヘッドフォンや耳栓の影響かどうかはわかりませんが,最近はiPodなど携帯用の音楽プレーヤーとヘッドフォンを身につけて,音楽を聞きながら移動することがごく一般的になっているので,そうした人が電車に轢かれるなど,人身事故につながった例がニュースで話題になることもあります。

・耳栓など音を制限するツールで日常のストレスが低下することは,実際に着用して過ごしてみないと直感的にわかりにくいところがあります。耳栓をつけると,日常生活では,普段私たちは意識せず,不要な音を効率よく「無視する」ために無意識のうちにエネルギーを使っていることがわかります。不要な音がそもそも存在しないと,無視する努力が不要となり,注意を逸らされることも少なくなるので,主観的に非常に楽になります。


<1月30日追記>
クワイアット・コンフォートは「2」の画像なのに「3」と書いていましたので修正しました.ちなみに現在,私は「3」を使っています.耳を覆ってしまわないオープンタイプなので,蒸れたりすることもなく,長時間着用する分には楽に感じています.







2008年1月11日金曜日

予定や約束を忘れがちだったり、予定管理が苦手な人には?

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、新年一発目は、昨年12月のATAC2007の講義で活用法方をご紹介した、ネット上のカレンダーサービスの活用例です。ブログでも解説を掲載してほしいという要望が多かったものなのに、ずいぶん遅くなって恐縮です。ちょうど新年の始まりにあたって、今年の予定管理をこちらで試してみてはいかがでしょうか。

「Googleカレンダー」という、ブラウザから使うことのできるカレン ダーサービスがあります。以下のアドレスにアクセスしてユーザ登録すると、誰でも自分専用のカレンダーを無料で使うことができます。


Googleカレンダー
www.google.com/calendar

一見すると、日ごと、週間、月間で予定を表示してくれるシンプルなカレンダーです。しかしながら、活用法によっては発達障害のある人にとっても、便利に使うことができます。

まず第一に、予定のメールによる「リマインダ(忘れていないかお知らせしてくれること)」が役に立ちます。Googleカレンダーは、リマインダとして、携帯電話のメールアドレス宛に、予定のお知らせメールを飛ばすことができます。これを登録しておけば、予定表を自分で見返さなくても、予定表の方からあなたの携帯に「時間ですよ」とお知らせをくれるわけです。

以前の記事でも書きましたが、たとえ予定を手帳などにメモしていても、メモしたこと自体を忘れていたり、適切なタイミングで見返すことができずに、予定を逃して、困ってしまう人がいます。そうした人にはこのようなリマインダ機能を活用することを勧めています。

予定開始のどれくらい前にメールを送るかは、好みの時間を設定することができます。たっぷりと余裕を見てお知らせするか、予定のちょっと前にお知らせするか、パニックにならない程度の、ご自分のペースにあったお知らせ時間を探してみてください。

また、お知らせメールを送るか送らないかを、予定一つ一つに別々に設定することもできます。リマインダを送らないでもいい予定は、個別にお知らせメールをオフにしておけばオッケーです。

最近の携帯電話であれば、標準で予定表機能が備わっているものも多いので、Googleカレンダーではなく、こちらを使う手もあります。しかしながら、Googleカレンダーと携帯へのメールリマインダ機能の組み合わせの方が優れている点が以下のようにいくつかあります。

<入力しやすさ、見やすさ>
・パソコンで一気に予定を登録できるので、携帯からの文字入力が苦手な人でも楽に予定を登録できます。
・日ごと、週ごと、月ごととパソコンの広い画面で予定を一覧できます。カレンダーはインターネットエクスプローラなどで表示するわけですから、フォントサイズも大きくしたり小さくしたり自由に変えて、見やすくすることができます。
・「仕事」「プライベート」「イベント」など、好きな名前をつけた複数の予定表を作成することができます。予定表ごとに見やすく色分けも可能です。

<周囲の人との予定の共有>
・標準では自分以外の人は予定を見ることはできませんが、設定で許可を与えた人であれば、自分以外でも自由に予定の変更や追加が出来ます。親や教師、またはセラピスト、職場の管理者、余暇活動での仲間などなど、周囲の人が連携して発達障害のある当事者の生活支援にあたるときにも役に立ちます。みんなでひとつのカレンダーを共有して、各自が予定を入力したり、確認したりできます。
・通常のスケジュール管理以外にも、服薬管理(薬を飲むのを忘れないように、時間になったらメールで自動的にお知らせ)などにも使えます。

<その他の工夫>
メールでのリマインダ機能と、通常の携帯電話が持っている機能を組み合わせると、いろいろな楽しい工夫ができそうです。たとえばこんな工夫はいかがでしょうか。

<音声でお知らせ>
ほとんどの携帯電話には、メールの送信元アドレスごとに、着信音を変える機能があります。最近の機種であれば、着信音だけではなく、その携帯で撮影した写真や動画を流すこともできます。

Googleカレンダーの場合は、「cal-not@google.com」というアドレスからメールが送られてきます。なので、このアドレスからメールが来た場合の着信音に、自分で録音した音声を割り当ててみると活用にも広がりが出ます。

たとえば、「次の予定の時間まであと10分ですよー。メールを確認してね」と促したり、服薬管理など特定の予定の管理だけに絞れば、「お薬を飲む時間です」など。ただし後者の場合は、予定の内容は無関係になるというデメリットもありますが、メールを読む操作が難しい人の場合にも、携帯を持っておくだけで音声のお知らせを聞くことができるというメリットがあります。

メール到着に合せて音声ではなく動画(たとえば服薬している動作や薬の映像など、予定された活動の内容を視覚的に伝えるもの)を流せば、耳で聞いて理解することが苦手な人にも有効ですね。携帯の機種によりますが、「着ムービー」などという名称でメール到着に合せて動画を流す機能がある携帯があります。

以上のように、携帯電話とカレンダーサービスを組み合わせると、先の見通しをつけたり、予定を忘れないようにすることを助けるさまざまな工夫が可能です。

ほかにもいろんな活用が考えられますから、ぜひ皆さんも試してみてくださいね。

2007年12月19日水曜日

DAD2007での感動の1コマ

「障害理解の日(Disability Awareness Day, 略称DAD)」というイベントがあるそうですが、ボストンのフェンウェイパークスタジアムで今年6月に行われたそのイベントの動画が、障害関係に限らず、ネット上のさまざまなところで大変話題になっています。



自閉症の男性が国歌を歌うのですが、途中で笑い出してしまう彼と一緒に、会場全体が一斉に国家を斉唱し始める、という映像です。「自閉症の男性を『助けて』歌う・・・」みたいなクレジットが入っていたので、どうも気にくわないなと思いながら動画を見てみたのですが、助けるというより、会場全体が彼と一緒に歌いたくなったから歌ったんだ、という印象で、胸にグッと来ました。

Disability Awareness Day
http://www.disabilityawarenessday.org.uk/index.shtml

2007年12月16日日曜日

ブラウザから使えるプレゼンテーションソフトを特別支援に

マイクロソフト社から発売されているパワーポイント(Microsoft Office Powerpoint)を代表とするプレゼンテーションソフトウェアは、特別支援の現場でも大変便利に使われています。音や映像を組み合わせて、障害のある子どもたちにもわかりやすい提示ができますし、何より子どもたちの注意・関心を引きつける上で大きな効果があります。ある養護学校では、始業式などの式典で、校長先生のスピーチの最中にその背後でスピーチの内容に即した画像やシンボルのスライドを投影するようにしたところ、知的な障害のある子どもたちがじっと正面(スライド)を見て参加できるようになった、というエピソードがあります。いつもは誰も落ち着いて聞かないので、子どもたちをじっとさせるのに先生方がずいぶんと骨を折って折られたそうですが、この方法を導入してからは、大騒ぎで逃げ回る子どもたちを追いかけ回すことがほとんどなくなったそうです。

今年のATACカンファレンスでは、こうした例以外にも、このパワーポイントを使った特別支援教育への様々な活用方法を、マイクロソフトの人たちと一緒にいろいろと提案させていただきました。「プレゼンテーション」「聴衆に見せる」という先入観をはずせば、パワーポイントはいろいろなことに応用することができます。

しかしながら、買ってきたパソコンにはワードとエクセルは入っているが、パワーポイントが入っていない、という声を聞きます。そんなときには、まずきっかけとして以下のようなブラウザで使えるプレゼンテーションソフトを試してみてはいかがでしょうか。

Googleがプレゼンテーションソフトを公開
http://www.atmarkit.co.jp/news/200709/18/google.html

とはいえ、現在上記のサービスでは、文字列と画像を編集するくらいしかできないので、自動アニメーションや様々な図形部品・クリップアートの使用など、もっと様々な活用を試したい場合は、やっぱりパワーポイントがあると良いと思います。プレゼンテーション用のソフトに手応えを感じたら、パワーポイントなど高機能なプレゼンテーションソフトを入手してみてください。

ちなみにまた別のサイトですが、以下のサイトでは、パワーポイントのスライドを世界中の人々と共有することができます。もちろん、こちらのサイトもパワーポイントが無くても、ブラウザからスライドを見ることができます。画面全体にブラウザのウィンドウを拡大する機能もありますので、プロジェクタで映し出したりする用途にも十分使えそうです。

slideshare
http://www.slideshare.net/

さらにこれはパワーポイント等のプレゼンテーションソフトとは少し外れますが、Windows用のフリーソフトをひとつ紹介します。黒板にプロジェクタで図形を写しだして、ちょうどテンプレートのよう使うアイデアです。このプロジェクターの使用法はなるほどと感じました。巧いですね。

学校やセミナーでの授業・プレゼン支援「ProjectorX」
http://www.forest.impress.co.jp/arti> cle/2006/06/13/okiniiri.html

2007年12月15日土曜日

発達障害のある人の働く環境を整えるには?

以下のようなマニュアルをご存じでしょうか。厚生労働省が作成したマニュアルですが、以下のサイトからダウンロードすることができます。

発達障害のある人と、一緒に働きやすい環境を作りたいと考えている方はぜひ一度読んでみてください。また、発達障害のある人自身にとっても、自分の作業を楽にする工夫・アイデアが見つかるかもしれません。

発達障害のある人の雇用促進マニュアル
htpp://www.koyoerc.or.jp/dd.html

第1章 発達障害とはどんな障害ですか?
第2章 雇用管理で配慮すべきポイント
第3章 Q&A こんなことに戸惑いを感じていたら
第4章 さまざまな職場で働く発達障害のある人
第5章 発達障害者に対する就労支援サービス
付 録 支援機関一覧


 発達障害者支援法の成立(平成17年4月1日施行)等を背景として、発達障害者の自立及び社会参加の促進を目的とした企業就労に向けた意識が高まっています。しかしながら、現状においては、障害のわかりにくさや支援体制の不備等から、障害に関する知識や就業に当たっての配慮事項等に関するノウハウが一般の事業主には行き渡っていない状況にあります。
 そこで、厚生労働省の委託を受け、発達障害者の特性を踏まえた雇用管理、職場環境の整備の方法等について調査・検討を行い、雇用、医療、福祉、教育等関係分野の有識者及び当事者等の参集を求め、「発達障害者雇用促進マニュアル作成委員会」を開催し、発達障害者の雇用促進に資する企業向けマニュアル「発達障害のある人の雇用管理マニュアル」を開発いたしました。
 本マニュアルは、企業等における発達障害者の障害特性の理解、支援体制の整備等に役立ち、その雇用管理のために広く活用されるよう、行政機関、支援機関、各関係団体等に配布されております。

ブラウザから使えるプレゼンテーションソフトを特別支援に

マイクロソフト社から発売されているパワーポイント(Microsoft Office Powerpoint)を代表とするプレゼンテーションソフトウェアは、特別支援の現場でも大変便利に使われています。音や映像を組み合わせて、障害のある子どもたちにもわかりやすい提示ができますし、何より子どもたちの注意・関心を引きつける上で大きな効果があります。

ある養護学校では、始業式などの式典で、校長先生のスピーチの最中にその背後でスピーチの内容に即した画像やシンボルのスライドを投影するようにしたところ、知的な障害のある子どもたちがじっと正面(スライド)を見て参加できるようになった、というエピソードがあります。いつもは誰も落ち着いて聞かないので、子どもたちをじっとさせるのに先生方がずいぶんと骨を折って折られたそうですが、この方法を導入してからは、大騒ぎで逃げ回る子どもたちを追いかけ回すことがほとんどなくなったそうです。

今年のATACカンファレンスでは、こうした例以外にも、このパワーポイントを使った特別支援教育への様々な活用方法を、マイクロソフトの人たちと一緒にいろいろと提案させていただきました。「プレゼンテーション」「聴衆に見せる」という先入観をはずせば、パワーポイントはいろいろなことに応用することができます。

しかしながら、買ってきたパソコンにはワードとエクセルは入っているが、パワーポイントが入っていない、という声を聞きます。そんなときには、まずきっかけとして以下のようなブラウザで使えるプレゼンテーションソフトを試してみてはいかがでしょうか。

Googleがプレゼンテーションソフトを公開
http://www.atmarkit.co.jp/news/200709/18/google.html

とはいえ、現在上記のサービスでは、文字列と画像を編集するくらいしかできないので、自動アニメーションや様々な図形部品・クリップアートの使用など、もっと様々な活用を試したい場合は、やっぱりパワーポイントがあると良いと思います。プレゼンテーション用のソフトに手応えを感じたら、パワーポイントなど高機能なプレゼンテーションソフトを入手してみてください。

ちなみにまた別のサイトですが、以下のサイトでは、パワーポイントのスライドを世界中の人々と共有することができます。もちろん、こちらのサイトもパワーポイントが無くても、ブラウザからスライドを見ることができます。画面全体にブラウザのウィンドウを拡大する機能もありますので、プロジェクタで映し出したりする用途にも十分使えそうです。

さらにこれはパワーポイント等のプレゼンテーションソフトとは少し外れますが、Windows用のフリーソフトをひとつ紹介します。黒板にプロジェクタで図形を写しだして、ちょうどテンプレートのよう使うアイデアです。このプロジェクターの使用法はなるほどと感じました。巧いですね。

学校やセミナーでの授業・プレゼン支援「ProjectorX」
http://www.forest.impress.co.jp/arti> cle/2006/06/13/okiniiri.html

2007年12月4日火曜日

超破格値のミニノートパソコンで広がる可能性

台湾のASUSという会社から、たったの199ドルでミニノートパソコンが発売され、世界中で話題になっています。安かろう悪かろうではなく、しっかりしたパソコンだそうです。

$199で話題の小型ノートパソコン、ASUS「Eee PC」
http://www.ibukuro.com/2007/11/199asuseee_pc.html

まだ日本では販売されていないので、当然ながら日本語版は発売されていません。また、標準の状態では、Windowsはインストールされておらず、「Linux」というOSが搭載されています。(とはいえ自分でインストールできれば、XPもかなり軽快に動くそうです。)

日本でも個人輸入して日本語化する人が増え始め、ネット上ではインストールされているLinuxを日本語化したり、WindowsXPをインストールしたりと、かなりアツイことになっています。上記のブログはEeePCをいち早く利用しておられる日本の方の記事です。

私たちは視覚障害の方だけではなく、読み障害のある人のためにパソコンで音声読み上げソフトを使用することをいろんなところで提案していますが、そんなときよく問題になるのが「高価なパソコンを購入するのが難しい」という点です。ここまで低価格でしっかりした機能のパソコンが販売されるようになると、そうした常識も変わることになるでしょう。

読み上げエンジンで個人的に一番気に入っているのは、ペンタックスのVoiceTextという音声エンジンです(http://voice.pentax.co.jp/)。読み上げは非常に自然で、初めて読み上げ機能を使う人にもおすすめしています。

通常はWindows上で動かしていますが、実はこの音声エンジン、Linux用もあるので、EeePCにWindowsをインストールしなくても、音声読み上げが使えそうです。ぜひ試してみたいところです。

ブラウザは「Firefox」という非常に高機能なもの(MacOS版とWindows版は私も愛用しています)がすでにインストールされているので、このブログでも紹介しているCheckPad.jpもすぐに使えます。まだここでは紹介していませんが、Googleカレンダーという予定管理のウェブサービスは、Firefoxとは大変親和性が良いことが知られています(今年のLos Angelsで開かれたCSUNという障害支援技術のカンファレンスにもGoogleのグループが来ていて、Googleで公開している様々なサービスは、Firefox上で動かすことを積極的にサポートする、と強調していました)。

日本でもこのところ、「視覚障害や読み障害のある子どものために拡大教科書を!」という動きがありますが、印刷された特殊な教科書が普及する前に、EeePCで読み上げエンジンを使ってしまえ!ということが常識になる時代がやってくるかもしれません。なんといっても本体価格がたったの「二万円ちょっと」ですから。

<余談>

同様の低価格PCを世界中の子どもたちに届けるプロジェクトとして、OLPCがあります。

OLPC - One Laptop Per Child
http://laptop.org/index.jp.html

こちらは399ドルを支払って、1台を発展途上国の子どもに、1台を自分の子どもに、という「1台あげて1台ゲット・キャンペーン」を行っています。OSはやはりLinuxです。Intelも「Classmate PC」という似たコンセプトの製品を作っているそうですね。日本でもこうした製品が発達障害のある子どもたちを含め、コンピュータによる支援を必要とする人たちに届くようになるといいですね。私もまずはEeePCから、入手してみようかなと思います。