2009年3月4日水曜日
「読み」に困難のある人のための実態調査・協力募集中
発達障害で「読みの困難」と言えば「ディスレクシア」と考えてしまいがちですが,アスペルガー症候群の人の中にも,綾屋さん(「発達障害当事者研究」の著者で当事者)のお話しをうかがったり,当事者の方々のお話を伺うと,文字(フォント)や色にこだわりがあったり,視覚的な過敏性があったり,または書籍や雑誌の段組の読み進め方がわかりにくく,混乱したりなどなど,いろいろな理由で読みにくさを感じている人がいることがわかってきました。
また,発達障害全般や認知面に困難のある障害に目を向けると,高次脳機能障害など,読みに困難を生じる障害は,ディスレクシア以外にもたくさんあります。しかしながら,当事者や支援に関わる人以外には,こうした困難さについてはあまり知られていないという現状があります。
そこで現在,これまでは視覚障害の人向けにサービスを提供していたBRC(バリアフリーリソースセンター)という団体が,視覚障害以外の人々で,読みに困難を感じている人の実態を知るための調査を行っています。視覚障害以外での,読みに困難を感じている人への支援の必要性を把握するための調査です。
日頃少しでも,本やウェブ,その他の印刷物などに読みにくさを感じたことがある人は,ぜひ調査に協力していただけるとありがたいです。特に,そうした困難を感じている人がどのような工夫をしながら読んでいるのか,具体的な方法について目を向けた調査であるところが特徴です。
「読み」に困難を感じている人への読書に関するニーズ調査(説明)
http://www.best-npo.com/brc/index2008-2.html
当事者向けアンケートのページに直接飛ぶ場合は,以下のリンクへ
http://www.best-npo.com/brc/2008.html
指導者・支援者向けのアンケートページに直接飛ぶ場合は,以下のリンクへ
http://www.best-npo.com/brc/2008-2.html
関連情報:
綾屋さん&熊谷さんの障害学会での発表要旨
http://www.arsvi.com/2000/0709as.htm
綾屋さん&熊谷さんの上記についての書籍
「発達障害当事者研究—ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく) 」
2009年3月2日月曜日
イベント情報:読書バリアフリーを考えるシンポジウム
2010年国民読書年に向けて視覚障害者・高齢者の読書バリアフリーを考えるシンポジウム−読書バリアフリー法の制定を目指して−
視覚障害者や加齢に伴う低視力化により読書がしづらくなった高齢者のための「読書バリアフリー」を考えるシンポジウムのご案内です。
国連では2006年12月、「障害者の権利条約」が採択され、我が国でも現在批准に向け国内法の整備が進められているところです。この条約では、合理的な配慮の下、「利用可能な様式を通じて、文化的な作品を享受すること」を確保するためのすべての適当な措置をとることが義務付けられております。
一方国内では、国民の「活字離れ」が叫ばれて久しくなりますが、国民的な読書活動を推進するために「子ども読書推進法」や「文字・活字文化振興法」が制定されております。また、2008年6月には国会で2010年を「国民読書年」とする決議が全会一致で採択され、国民すべてが更に読書に親しめるような読書環境と読書文化の高揚が期待されているところです。
このような情勢の中、障害者や高齢者の読書環境を改善するために以下のようなシンポジウムを企画しました。このシンポジウムでは、「読みたくても読めない」という読書困難者が一冊でも多くの本と触れ合えるようにするためにはどうしたらよいか、みんなで知恵を出し合い、出版そのもののバリアフリー化や図書館の障害者・高齢者サービスのあり方を考えていきたいと思います。そして最終的にはこの読書のバリアフリー化が、我が国の知的で活力ある文化の形成や力強い経済活動に貢献するための基礎的な環境整備となることを願っております。多くの方のご参加をお待ちしております。
日 時: 2009年3月21日(土) 13時〜16時30分
場 所: 日本盲人福祉センター (東京都新宿区西早稲田2-18-2 電話 03-3200-0011)
主 催: 日本盲人福祉委員会 文字・活字文化推進機構
後 援: 活字文化議員連盟 全国音訳ボランティアネットワーク 出版UD研究会 バリアフリー資料リソースセンター 弱視者問題研究会
日 程: 13:00〜 開会式
13:10〜 講演1 「視覚障害者の「文字に接する権利」--そのふたつの要素--」 講師:橋本宗明氏(社会福祉法人 ぶどうの木理事)
13:40〜 講演2 「公共図書館における視覚障害者サービスの歩み」 講師:田中章治氏(東京都立中央図書館)
14:10〜 休憩
14:20〜 読書バリアフリー法案提起
14:40〜 パネルディスカッション パネリスト 高橋秀治(ロゴス点字図書館長) 中和正彦(ジャーナリスト) 長岡英司(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授) 藤田晶子(全国音訳ボランティアネットワーク代表) 松井進 (千葉県立中央図書館)
16:20〜 閉会式
参加費: 無料
問い合わせ・申し込み先
バリアフリー資料リソースセンター(BRC)事務局 〒171-0031 東京都豊島区目白3-21-6-101 電話 03-3950-5260 ファックス 03-5988-9161 電子メール info@dokusho.org ※ Eメール、FAX、郵便などでお申し込みください。 ※ 点字,拡大文字,テキストファイルでの資料を 希望される方は申し込みの際にお申し出下さい。
会場までの交通:
JR山手線・西武新宿線で→「高田馬場駅」早稲田口から徒歩15分
早稲田口の改札を出て階段を数段下り、右に曲がって駅の外に出ます。正面の信号を渡って早稲田通りを500メートル程進み、明治通りとの交差点(馬場口交差点)を渡って右に曲がります。100メートル程進み、自転車店と高田馬場アクセスの間の1本目の路地を左に曲がって、100メートル程先の左手にある3階建ての建物です。
地下鉄東西線で→「高田馬場駅」7番出口から徒歩10分
7番出口を出て右に曲がり、早稲田通りを300メートル程進んで、明治通りとの交差点(馬場口交差点)を渡り、右に曲がります。100メートル程進み、自転車店と高田馬場アクセスの間の1本目の路地を左に曲がって、100メートル程先の左手にある3階建ての建物です。
地下鉄副都心線で→「西早稲田駅」ローソン横出口から徒歩3分
ローソン横出口を出て右に曲がり自転車店と高田馬場アクセスの間の1本目の路地を右に曲がって、100メートル程先の左手にある3階建ての建物です。
JR高田馬場駅からバスで→「高田馬場2丁目」バス停から徒歩5分
「高田馬場駅」早稲田口の改札を出て階段を数段下り、右に曲がって駅の外に出ます。2番のバス停から「早大正門行」都バスに乗り、一つめの「高田馬場2丁目」で下車します。駅方向に80メートル程戻り、明治通りと早稲田通りの交差点(馬場口交差点)を左に(早稲田通り側を)渡ります。100メートル程進み、自転車店と高田馬場アクセスの間の1本目の路地を左に曲がって、100メートル程先の左手にある3階建ての建物です。
2009年2月25日水曜日
読み上げ支援:SAPI5に対応したTextToWav
読み上げソフト開発と音声学習
http://noah0.blog119.fc2.com/
※上記のブログの左側に,「Download」と書かれたリンクがあり,そちらからTextToWavをダウンロードできます。

上記がTextToWavのスクリーンショットです。
※Natural Readerでは,読み上げている段落全体の背景色を変え,加えて読み上げている単語近辺の背景色を変えていきます。この辺りの微妙な仕様の違いが,TextToWavとNatural Readerのどちらを使うか好みの分かれるところでしょう。
作者のNoahさん,このような有用なソフトを公開してくださり,ありがとうございます。
2009年1月26日月曜日
オバマ政権での自閉症者施策について
自閉症対策法をベースにした大規模スクリーニング実施とそれに基づく対策の立案・実施へ向けた動きが本格的に始まるということのようです。
<以下訳>
自閉症について
Obama大統領とBiden副大統領は,自閉症スペクトラム障害(ASD)のあるアメリカ人,その家族,そしてそのコミュニティを支援する。その支援には,以下のように,いくつかの鍵となる要素がある。
*第一に,Obama大統領とBiden副大統領は,自閉症に関する研究,処置,スクリーニング,国民の認識,支援サービスへの資金拠出の増加を支持する。
*第二に,Obama大統領とBiden副大統領は,ASDのある人々への生涯を通じたサービスおよび,ASDのある成人と子ども両者への介入とサービスの改善を支持する。
*第三に,Obama大統領とBiden副大統領は,自閉症対策法(Combating Autism Act)と,政府と州のASDに対するプログラムをどのように改善していくかを決定するため,議会,親,ASD専門家の作業への資金拠出を支持する。
*第四に,Obama大統領とBiden副大統領は,全ての乳児の全数スクリーニングと,ASDを含むいくつかの兆候が現れ始める年齢である二歳児の段階での再スクリーニング実施を支持する。これらのスクリーニングは安全で安全かつ確実なものとなり,スクリーニングを望む全てのアメリカ人が利用できるものとなる。スクリーニングは,必要な支援やサービスを得るために十分に早い段階で障害を同定する上で,子どもや家族にとって不可欠なものである。
Autism
President Obama and Vice President Biden are committed to supporting Americans with Autism Spectrum Disorders ("ASD"), their families, and their communities. There are a few key elements to their support, which are as follows:
* First, President Obama and Vice President Biden support increased funding for autism research, treatment, screenings, public awareness, and support services. There must be research of the treatments for, and the causes of, ASD.
* Second, President Obama and Vice President Biden support improving life-long services for people with ASD for treatments, interventions and services for both children and adults with ASD.
* Third, President Obama and Vice President Biden support funding the Combating Autism Act and working with Congress, parents and ASD experts to determine how to further improve federal and state programs for ASD.
* Fourth, President Obama and Vice President Biden support universal screening of all infants and re-screening for all two-year-olds, the age at which some conditions, including ASD, begin to appear. These screenings will be safe and secure, and available for every American that wants them. Screening is essential so that disabilities can be identified early enough for those children and families to get the supports and services they need.
2009年1月19日月曜日
スウェーデン企業・「2万人の障害者集団」サムハル
働きたい者には等しく機会を与える
“障害者集団”、スウェーデン・サムハルの驚愕(1)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090114/182649/
厳しい数値目標が国営企業を鍛えた
“障害者集団”、スウェーデン・サムハルの驚愕(2)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090115/182792/
弱者を変えた冷徹な合理性
“障害者団体”、スウェーデン・サムハルの驚愕(3)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090119/183071/
記事にはサムハルはかつての製造業メインからサービス業メインへの移行で,ある程度,臨機応変に対応できる障害者を重視しているといった記載がありました。となるとそうした対応が苦手とされる自閉症スペクトラムの当事者達にはどのように対応しているのかなど,気になっています。
とはいえサムハルには,障害が軽くて働ける人を優先的に雇用するのではなく,雇用が難しい人から優先的に働けるように,という原則があるようです。これは株主である国が毎年数値目標を設定していてコントロールしているとか。
それぞれの障害者の特性を把握して,グループで組み合わせて仕事に当たることができるようにするとか,精神障害の人がリハビリ的に仕事をする環境を作るとか,ちょうど私たちも内輪で議論していたようなトピックが書かれていたこともあり,何かの機会にストックホルムにお話しを伺いに行ってみたいと思っています。なんといっても「2万人」というインパクトがすごい。
関連情報
日本の皆様へ サムハルAB 代表取締役 イェルハルド・ラーション(他)
http://www.prop.or.jp/flanker/20/20samu.html
大阪のプロップステーションのサイトに,1998年12月と古いものですが,サムハルグループの代表と日本代表の方の挨拶が掲載されていました。日本代表事務所は検索しましたが,ウェブでは情報が見つけられませんでした。
身体障害者の就労状況:その1: SAMHALL( サムハル)の現状:
http://fukushi-sweden.net/welfare/handikapp/2008/samhall.l0802.html
上記のページは,スウェーデンにお住まいの社会福祉士の方のサイトのようです。掲示板の前書きに,スウェーデンが福祉国家として日本から神格化されているが,スウェーデン国内では福祉と教育が民営化されたことを端緒とする問題や批判が大きいこと,さらにその背景にEU連合へ支払う莫大な会費による国家財源の圧迫があることなどが書かれていて興味深いです。日本が偏重する「スウェーデン福祉神話」という指摘はなるほどと思います。
2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/ld/samhall2004/business.html
DINFにサムハルの2004年の年次報告書と題された短いレポートが掲載されています。DINFでは知的障害のカテゴリに分類されていますね。日経の記事を読むと,多様な障害を対象としていると書かれていますから,ちょっと分類が誤解を招くかもですね。それともやはり知的障害者の雇用がメインなのでしょうか。
2009年1月5日月曜日
予定の見通しを付けるのが難しいときには?
元は私自身が自分のために作って使っていた予定表ですが,シンプルに誰もが使えるように改変してみました。
<予定表をダウンロードする(PDF形式,192kB)> ←右クリックして「ファイル名を付けて保存」してください。

上記の画像のように,A4一枚で一週間の予定が書き込めるようになっています。曜日は月曜から日曜までをすでに入力してありますが,年月日は空欄なので,自由に記入して使ってみてください。
私のおすすめの使い方を書いておきます。
予定と実際を両方書く
一日の予定の半分あたりまで,30分刻みの点線が入っています。このあたりを利用して将来の予定を書き込み,残りの左半分に「実際にはどのような時間の使い方をしたか」を書き込みます。
予定を記入する手帳はよくありますが,この予定表は重点は,この「どのような時間の使い方をしたかを書き込む」ところにあります。
例えば以下のような書き方をします。

上記の予定表では,一週間が一覧できます。これを使って一週間の見通しを良くしてあげることで,予定の把握や見通しに伴う困難(例えば以下のようなこと)を軽くすることを目指したものです。
□ 予定を立てる際,その前後に必要となる準備や片付けなど「予定そのもの以外に必要となる時間」を,あらかじめ見積もることをつい忘れてしまう。 → 予定だけではなく,24時間全ての時間軸が書き込んであるので,そこに準備と片付け,移動の時間を書き込むクセをつける助けになります。
□ ある予定を終わらせるのに,いつもかかっている時間を忘れて,かかる時間を過小評価(または過大評価)してしまう。 → しばらく継続して記録を付けていると,何かの作業に自分がどれくらいの時間が必要なのか,過去の記録を参考にして判断する材料がたまってきます。
□ すでに今週,沢山の予定が入っているにもかかわらず,つい空いた時間にどんどんと予定を入れてしまう。 → 24時間の時間の量が一目でわかるので,予定が詰まりすぎていて,十分な休息の時間が取れていない日も目視でわかります。
□ 先週何をしたのか覚えていない。 → 先週何をしたかは先週の予定表に書かれています。紙がたまっていくと,自分が何をしていたのかを見直すことが楽しくなってきます。
□ 24時間表記の予定表なので,睡眠時間や移動時間,余暇の時間など,通常の予定表では把握しにくい時間の使い方も把握できる。 → 特に,睡眠時間や休憩時間が十分取れているかを見直すことに使ってみましょう。十分取れているのに疲れが取れない場合は,過去の行動を見直して,もう少し休息を長く取ったほうが疲れにくいか?または何か疲れにつながる原因があるか?を判断する材料にしてみては。
・・・などなど。
このような困難さがあるために,毎日なぜかわからないのだが疲れ切ってしまって,ある日突然,電池が切れたように倒れてしまう,という人がいらっしゃいます。
そんな方は,この予定表を使って「自分観察日記」をつけてみてはいかがでしょうか。
予定の種別で色分けする
実際の時間の使い方を書き込む際には,「仕事に関する作業」「趣味の作業」「その他」など,使った時間の長さを示す縦線を書き込むときに,ざっくりと簡単に色分けして書いておくと,あとから見直すときにわかりやすくなります。
時間に関係のないTODOや目標は左の空欄に書く
今週やっておく必要のあることなどは,一番左の空欄に書き込んでおき,終わったものは横線で消すようにすると,やるべきことの状況が把握できて便利です。
注意点
書き込む際にこだわりすぎない! あくまでも,使った時間の内容を書き込む際には「ざっくりと」書き込むようにしましょう。分単位,秒単位で精確に描き込むことにこだわると,破綻します。長続きしないどころか,かえって疲れ切る原因を増やしてしまいます。
それが難しい場合は,30分ごとの区切り線を消して,もっとざっくりした予定表を作って使ってみるのもいいかもしれません。
精神的にひどく参っているときには使わないことも重要です。
または,ネガティブな気分が続いているときには,うまくポジティブな時間管理に向かうようアドバイスしてくれるような人と一緒に使ってみるものいいかもしれません。
以上,関心のある人は使ってみて,また感想を教えてもらえると嬉しいです。
明けましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いします。
皆様にとって良い年となりますことを祈念しております。
今年はもうちょっとまめに更新できるようにしたいと思います!