2008年3月28日金曜日

厚生労働省の発達障害情報サービス

厚生労働省のウェブサイトに、以下のような情報ページができました。今後どんどん情報が充実してくるといいですね。


発達障害情報サービス:トップページ
http://www.mhlw.go.jp/ddis/a/index.html


全国の発達障害支援センターの連絡先も、以前はPDFでしか見られなかった(官公庁関係ではPDFでのみ公開、というスタイルが多くて多少不便です)のが、このサイトで公開されています。まだ準備中の部分も多いですが、今後が楽しみなサイトです。

2008年3月23日日曜日

落とし物や忘れ物を避けるためのツールと工夫

発達障害の人の中には、 落とし物や忘れ物がとにかく多くて、日常生活で本当に困っている人は多いと思います。ケータイ、お財布、メモ帳、ペン、傘のような小物類や、ときには外出先へ持って行っていたはずのバッグをどこかに置き忘れてしまった、またはどこに置いたかわからなくなってしまったという経験に悩まされている人は多いのではないでしょうか。

私もあるADHDの知り合いから、「探していた食器(グラス)がなくなってしまい、ある日、それがなぜか靴箱から出てきて大変驚いた」という話を聞いたことがあります。周囲からしてみれば笑い話にされることが多いのですが、本人にとっては毎日のことであり、本当に大きな困りごととなっています。日々、ちょっとしたことに注意を奪われたり、パニックを起こしてしまうことが日常になっている人では、周囲からの「いつも気をつけておかないからだよ」といわれても、逆に単なるストレスや自己嫌悪の元にしかなりません。

以前、忘れ物を見つけるためのキーホルダーをご紹介しました。こうしたツールは、視覚に障害のある人のように、探している物がどの位置にあるのかを見つけることが難しい人のために使われてきた経緯のあるツールですが、発達障害のある人にも役立ちます。


うっかりセンサー「SH-056PML」

http://www.jpcosmo.com/wasuremonoboushiki.htm


上記も同じようなコンセプトの製品で、子機をバッグなどなくしたくない物につけておき、親機を自分の手元に持っておきます。設定した距離以上に両者が離れると、音で知らせてくれる、というツールです。親機をなくしてしまったら元も子もないですが、親機はズボンなどにくくりつけておくなどなくさないような工夫を十分にして、すぐに手元から離れてしまいがちなもの(財布や携帯など)に子機をつければ、役に立つ場面があるのではないでしょうか。また逆に、近づくと音を鳴らす機能があるので、子機を付けた物をなくしてしまったときに、音を手がかりにそれを探す、ということもできます。

小物を良くなくしてしまう人に効果的なのは、「置き場所のルールを決めておく」ことですが、置き場所が自宅や出先でそれぞれ異なっていると、どこを場所に決めたかの混乱に津なることがあります。また、旅行先のホテルなど、いつもと違う場所へ出かけたときなどには場所を決めることが難しいくなります(ホテルに泊まると必ず忘れ物をしてしまう人、いませんか?)。そこで置き場所を決めるときには、どこであってもいい目印になるようなツールがあると便利です。


【アクセサリートレー】ボタントレー・ブラウン(生活セレクトショップ・トレフール)


http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/trefle.co.jp/g/404026/index.shtml


上記のトレイ、普段は平面の一枚パネルなので、持ち運びも場所を取りません。そして使うときには四隅のボタンを留めてトレーにする、という製品です。上記のサイト以外でも、類似のものはいろんなところで販売されています(「ボタントレー」で検索してみてください)。布と厚紙、ボタンで自作しても良いかもしれませんね。このトレーを目印にして、いつもここに携帯電話や財布、時計や眼鏡などを置くようにすると、自宅でも出先でも「置き場所のルールを1つだけにする」ことができます。忘れ物に困っている人は試してみてください。






2008年3月12日水曜日

ルビ振りの自動化・追加情報「ひらがな・なびぃ」

ちょうど昨日の記事をアップしていたら、ルビ振りの自動化について、富士通ラーニングメディアさんから素晴らしいソフトがリリースされたという情報が入ってきました。Windows用のソフトウェアで、無償公開されています。学年ごとで学習する漢字レベルに合わせてルビや平仮名化を調整したり、日本語能力試験の水準に合わせて調節したり、文章の要約機能があったりと、とても多機能なソフトウェアです。

ひらがな・なびぃ:富士通ラーニングメディア
http://jp.fujitsu.com/group/flm/eco/hiranavi/



ひらがな・なびぃ
『ひらがな・なびぃ』は、インターネット上の漢字をひらがな変換して表示できるブラウザです。文部科学省の「学年別漢字配当表」を元に、インターネット上の漢字を学年単位でひらがなに変換し、表示します。さらに、インターネット上の有害情報をURLや単語単位で遮断できます。このほか、「リンク集」、「要約」機能を搭載し、充実したインターネット環境をご提供いたします。
 また、日本語を学習中の外国人の方も、自分の学習レベルに合わせ、日本語のホームページを読むことができるように漢字をローマ字で表示する機能もあります。

2008年3月11日火曜日

漢字の読みが苦手なときには?:ルビ振りの自動化

発達障害の中でも、読み書き障害や高次脳機能障害のために、文字を読むことが難しいと感じる人がいます。せめて漢字にルビを振ってくれれば読みやすくなるのだけれど、という人のために、利用できる自動ルビ振りサービスはいろいろと存在しています。読み書きに困難のある子どものために、頑張ってルビを手作業で振っているが、その作業がとても大変で苦労している人や、成人で読み書きに困難のある人で、読めないことに恥ずかしさを感じてしまい、なかなか周囲に読み方を聞けない人などにも便利なサービスです。

以下のように、文章中に含まれる漢字にルビを振り,読字の困難さを軽減する機能が,インターネットの複数のウェブサイトで誰もが試用できるサービスの形で無償提供されています.もともとは、子どもや外国人向けと銘打って用意されているサービスですが,もちろん読字障害のある子どもや成人にとっても、便利に使うことができます.



「キッズgoo(http://kids.goo.ne.jp/)」は,検索結果のウェブページに含まれる漢字の読みを,「漢字(かんじ)」のような形式で,括弧内に挿入してくれる子ども向けのサービスです.



「ルビ(ふりがな)振りサービス AddRuby(http://www.addruby.com/)」でも,任意のウェブページやテキスト内に含まれる漢字に,同様の形式で読み仮名を挿入することができます.


「YomoYomo(http://yomoyomo.jp/)」は,外国人向けのサービスなので説明が英語で少しわかりにくいですが、ページ上部のウィンドウにウェブページのURL(アドレス)を入力して、「ひらがな」と書かれたタブをクリックすればルビ振り機能が使えます。このサイト、MacOSXのSafariブラウザではうまく見られませんでした。WindowsのInternet Explorerでは見られます。



「ひらひらのひらがなめがね(http://www.hiragana.jp/)」はシンプルでいいですね。Windowsのブラウザでは、このように通常のフリガナ的に、漢字の上に読みを振ることができるのでわかりやすいですね。


こうしたサービスを活用することで,ルビ振りについては特別なソフトウェアを用意せずとも,私たちの誰もが容易にルビ振りを行うことができる状況にあります。ぜひ活用してみてください。