2007年12月19日水曜日

DAD2007での感動の1コマ

「障害理解の日(Disability Awareness Day, 略称DAD)」というイベントがあるそうですが、ボストンのフェンウェイパークスタジアムで今年6月に行われたそのイベントの動画が、障害関係に限らず、ネット上のさまざまなところで大変話題になっています。



自閉症の男性が国歌を歌うのですが、途中で笑い出してしまう彼と一緒に、会場全体が一斉に国家を斉唱し始める、という映像です。「自閉症の男性を『助けて』歌う・・・」みたいなクレジットが入っていたので、どうも気にくわないなと思いながら動画を見てみたのですが、助けるというより、会場全体が彼と一緒に歌いたくなったから歌ったんだ、という印象で、胸にグッと来ました。

Disability Awareness Day
http://www.disabilityawarenessday.org.uk/index.shtml

2007年12月16日日曜日

ブラウザから使えるプレゼンテーションソフトを特別支援に

マイクロソフト社から発売されているパワーポイント(Microsoft Office Powerpoint)を代表とするプレゼンテーションソフトウェアは、特別支援の現場でも大変便利に使われています。音や映像を組み合わせて、障害のある子どもたちにもわかりやすい提示ができますし、何より子どもたちの注意・関心を引きつける上で大きな効果があります。ある養護学校では、始業式などの式典で、校長先生のスピーチの最中にその背後でスピーチの内容に即した画像やシンボルのスライドを投影するようにしたところ、知的な障害のある子どもたちがじっと正面(スライド)を見て参加できるようになった、というエピソードがあります。いつもは誰も落ち着いて聞かないので、子どもたちをじっとさせるのに先生方がずいぶんと骨を折って折られたそうですが、この方法を導入してからは、大騒ぎで逃げ回る子どもたちを追いかけ回すことがほとんどなくなったそうです。

今年のATACカンファレンスでは、こうした例以外にも、このパワーポイントを使った特別支援教育への様々な活用方法を、マイクロソフトの人たちと一緒にいろいろと提案させていただきました。「プレゼンテーション」「聴衆に見せる」という先入観をはずせば、パワーポイントはいろいろなことに応用することができます。

しかしながら、買ってきたパソコンにはワードとエクセルは入っているが、パワーポイントが入っていない、という声を聞きます。そんなときには、まずきっかけとして以下のようなブラウザで使えるプレゼンテーションソフトを試してみてはいかがでしょうか。

Googleがプレゼンテーションソフトを公開
http://www.atmarkit.co.jp/news/200709/18/google.html

とはいえ、現在上記のサービスでは、文字列と画像を編集するくらいしかできないので、自動アニメーションや様々な図形部品・クリップアートの使用など、もっと様々な活用を試したい場合は、やっぱりパワーポイントがあると良いと思います。プレゼンテーション用のソフトに手応えを感じたら、パワーポイントなど高機能なプレゼンテーションソフトを入手してみてください。

ちなみにまた別のサイトですが、以下のサイトでは、パワーポイントのスライドを世界中の人々と共有することができます。もちろん、こちらのサイトもパワーポイントが無くても、ブラウザからスライドを見ることができます。画面全体にブラウザのウィンドウを拡大する機能もありますので、プロジェクタで映し出したりする用途にも十分使えそうです。

slideshare
http://www.slideshare.net/

さらにこれはパワーポイント等のプレゼンテーションソフトとは少し外れますが、Windows用のフリーソフトをひとつ紹介します。黒板にプロジェクタで図形を写しだして、ちょうどテンプレートのよう使うアイデアです。このプロジェクターの使用法はなるほどと感じました。巧いですね。

学校やセミナーでの授業・プレゼン支援「ProjectorX」
http://www.forest.impress.co.jp/arti> cle/2006/06/13/okiniiri.html

2007年12月15日土曜日

発達障害のある人の働く環境を整えるには?

以下のようなマニュアルをご存じでしょうか。厚生労働省が作成したマニュアルですが、以下のサイトからダウンロードすることができます。

発達障害のある人と、一緒に働きやすい環境を作りたいと考えている方はぜひ一度読んでみてください。また、発達障害のある人自身にとっても、自分の作業を楽にする工夫・アイデアが見つかるかもしれません。

発達障害のある人の雇用促進マニュアル
htpp://www.koyoerc.or.jp/dd.html

第1章 発達障害とはどんな障害ですか?
第2章 雇用管理で配慮すべきポイント
第3章 Q&A こんなことに戸惑いを感じていたら
第4章 さまざまな職場で働く発達障害のある人
第5章 発達障害者に対する就労支援サービス
付 録 支援機関一覧


 発達障害者支援法の成立(平成17年4月1日施行)等を背景として、発達障害者の自立及び社会参加の促進を目的とした企業就労に向けた意識が高まっています。しかしながら、現状においては、障害のわかりにくさや支援体制の不備等から、障害に関する知識や就業に当たっての配慮事項等に関するノウハウが一般の事業主には行き渡っていない状況にあります。
 そこで、厚生労働省の委託を受け、発達障害者の特性を踏まえた雇用管理、職場環境の整備の方法等について調査・検討を行い、雇用、医療、福祉、教育等関係分野の有識者及び当事者等の参集を求め、「発達障害者雇用促進マニュアル作成委員会」を開催し、発達障害者の雇用促進に資する企業向けマニュアル「発達障害のある人の雇用管理マニュアル」を開発いたしました。
 本マニュアルは、企業等における発達障害者の障害特性の理解、支援体制の整備等に役立ち、その雇用管理のために広く活用されるよう、行政機関、支援機関、各関係団体等に配布されております。

ブラウザから使えるプレゼンテーションソフトを特別支援に

マイクロソフト社から発売されているパワーポイント(Microsoft Office Powerpoint)を代表とするプレゼンテーションソフトウェアは、特別支援の現場でも大変便利に使われています。音や映像を組み合わせて、障害のある子どもたちにもわかりやすい提示ができますし、何より子どもたちの注意・関心を引きつける上で大きな効果があります。

ある養護学校では、始業式などの式典で、校長先生のスピーチの最中にその背後でスピーチの内容に即した画像やシンボルのスライドを投影するようにしたところ、知的な障害のある子どもたちがじっと正面(スライド)を見て参加できるようになった、というエピソードがあります。いつもは誰も落ち着いて聞かないので、子どもたちをじっとさせるのに先生方がずいぶんと骨を折って折られたそうですが、この方法を導入してからは、大騒ぎで逃げ回る子どもたちを追いかけ回すことがほとんどなくなったそうです。

今年のATACカンファレンスでは、こうした例以外にも、このパワーポイントを使った特別支援教育への様々な活用方法を、マイクロソフトの人たちと一緒にいろいろと提案させていただきました。「プレゼンテーション」「聴衆に見せる」という先入観をはずせば、パワーポイントはいろいろなことに応用することができます。

しかしながら、買ってきたパソコンにはワードとエクセルは入っているが、パワーポイントが入っていない、という声を聞きます。そんなときには、まずきっかけとして以下のようなブラウザで使えるプレゼンテーションソフトを試してみてはいかがでしょうか。

Googleがプレゼンテーションソフトを公開
http://www.atmarkit.co.jp/news/200709/18/google.html

とはいえ、現在上記のサービスでは、文字列と画像を編集するくらいしかできないので、自動アニメーションや様々な図形部品・クリップアートの使用など、もっと様々な活用を試したい場合は、やっぱりパワーポイントがあると良いと思います。プレゼンテーション用のソフトに手応えを感じたら、パワーポイントなど高機能なプレゼンテーションソフトを入手してみてください。

ちなみにまた別のサイトですが、以下のサイトでは、パワーポイントのスライドを世界中の人々と共有することができます。もちろん、こちらのサイトもパワーポイントが無くても、ブラウザからスライドを見ることができます。画面全体にブラウザのウィンドウを拡大する機能もありますので、プロジェクタで映し出したりする用途にも十分使えそうです。

さらにこれはパワーポイント等のプレゼンテーションソフトとは少し外れますが、Windows用のフリーソフトをひとつ紹介します。黒板にプロジェクタで図形を写しだして、ちょうどテンプレートのよう使うアイデアです。このプロジェクターの使用法はなるほどと感じました。巧いですね。

学校やセミナーでの授業・プレゼン支援「ProjectorX」
http://www.forest.impress.co.jp/arti> cle/2006/06/13/okiniiri.html

2007年12月4日火曜日

超破格値のミニノートパソコンで広がる可能性

台湾のASUSという会社から、たったの199ドルでミニノートパソコンが発売され、世界中で話題になっています。安かろう悪かろうではなく、しっかりしたパソコンだそうです。

$199で話題の小型ノートパソコン、ASUS「Eee PC」
http://www.ibukuro.com/2007/11/199asuseee_pc.html

まだ日本では販売されていないので、当然ながら日本語版は発売されていません。また、標準の状態では、Windowsはインストールされておらず、「Linux」というOSが搭載されています。(とはいえ自分でインストールできれば、XPもかなり軽快に動くそうです。)

日本でも個人輸入して日本語化する人が増え始め、ネット上ではインストールされているLinuxを日本語化したり、WindowsXPをインストールしたりと、かなりアツイことになっています。上記のブログはEeePCをいち早く利用しておられる日本の方の記事です。

私たちは視覚障害の方だけではなく、読み障害のある人のためにパソコンで音声読み上げソフトを使用することをいろんなところで提案していますが、そんなときよく問題になるのが「高価なパソコンを購入するのが難しい」という点です。ここまで低価格でしっかりした機能のパソコンが販売されるようになると、そうした常識も変わることになるでしょう。

読み上げエンジンで個人的に一番気に入っているのは、ペンタックスのVoiceTextという音声エンジンです(http://voice.pentax.co.jp/)。読み上げは非常に自然で、初めて読み上げ機能を使う人にもおすすめしています。

通常はWindows上で動かしていますが、実はこの音声エンジン、Linux用もあるので、EeePCにWindowsをインストールしなくても、音声読み上げが使えそうです。ぜひ試してみたいところです。

ブラウザは「Firefox」という非常に高機能なもの(MacOS版とWindows版は私も愛用しています)がすでにインストールされているので、このブログでも紹介しているCheckPad.jpもすぐに使えます。まだここでは紹介していませんが、Googleカレンダーという予定管理のウェブサービスは、Firefoxとは大変親和性が良いことが知られています(今年のLos Angelsで開かれたCSUNという障害支援技術のカンファレンスにもGoogleのグループが来ていて、Googleで公開している様々なサービスは、Firefox上で動かすことを積極的にサポートする、と強調していました)。

日本でもこのところ、「視覚障害や読み障害のある子どものために拡大教科書を!」という動きがありますが、印刷された特殊な教科書が普及する前に、EeePCで読み上げエンジンを使ってしまえ!ということが常識になる時代がやってくるかもしれません。なんといっても本体価格がたったの「二万円ちょっと」ですから。

<余談>

同様の低価格PCを世界中の子どもたちに届けるプロジェクトとして、OLPCがあります。

OLPC - One Laptop Per Child
http://laptop.org/index.jp.html

こちらは399ドルを支払って、1台を発展途上国の子どもに、1台を自分の子どもに、という「1台あげて1台ゲット・キャンペーン」を行っています。OSはやはりLinuxです。Intelも「Classmate PC」という似たコンセプトの製品を作っているそうですね。日本でもこうした製品が発達障害のある子どもたちを含め、コンピュータによる支援を必要とする人たちに届くようになるといいですね。私もまずはEeePCから、入手してみようかなと思います。