台湾のASUSという会社から、たったの199ドルでミニノートパソコンが発売され、世界中で話題になっています。安かろう悪かろうではなく、しっかりしたパソコンだそうです。
$199で話題の小型ノートパソコン、ASUS「Eee PC」
http://www.ibukuro.com/2007/11/199asuseee_pc.html
まだ日本では販売されていないので、当然ながら日本語版は発売されていません。また、標準の状態では、Windowsはインストールされておらず、「Linux」というOSが搭載されています。(とはいえ自分でインストールできれば、XPもかなり軽快に動くそうです。)
日本でも個人輸入して日本語化する人が増え始め、ネット上ではインストールされているLinuxを日本語化したり、WindowsXPをインストールしたりと、かなりアツイことになっています。上記のブログはEeePCをいち早く利用しておられる日本の方の記事です。
私たちは視覚障害の方だけではなく、読み障害のある人のためにパソコンで音声読み上げソフトを使用することをいろんなところで提案していますが、そんなときよく問題になるのが「高価なパソコンを購入するのが難しい」という点です。ここまで低価格でしっかりした機能のパソコンが販売されるようになると、そうした常識も変わることになるでしょう。
読み上げエンジンで個人的に一番気に入っているのは、ペンタックスのVoiceTextという音声エンジンです(http://voice.pentax.co.jp/)。読み上げは非常に自然で、初めて読み上げ機能を使う人にもおすすめしています。
通常はWindows上で動かしていますが、実はこの音声エンジン、Linux用もあるので、EeePCにWindowsをインストールしなくても、音声読み上げが使えそうです。ぜひ試してみたいところです。
ブラウザは「Firefox」という非常に高機能なもの(MacOS版とWindows版は私も愛用しています)がすでにインストールされているので、このブログでも紹介しているCheckPad.jpもすぐに使えます。まだここでは紹介していませんが、Googleカレンダーという予定管理のウェブサービスは、Firefoxとは大変親和性が良いことが知られています(今年のLos Angelsで開かれたCSUNという障害支援技術のカンファレンスにもGoogleのグループが来ていて、Googleで公開している様々なサービスは、Firefox上で動かすことを積極的にサポートする、と強調していました)。
日本でもこのところ、「視覚障害や読み障害のある子どものために拡大教科書を!」という動きがありますが、印刷された特殊な教科書が普及する前に、EeePCで読み上げエンジンを使ってしまえ!ということが常識になる時代がやってくるかもしれません。なんといっても本体価格がたったの「二万円ちょっと」ですから。
<余談>
同様の低価格PCを世界中の子どもたちに届けるプロジェクトとして、OLPCがあります。
OLPC - One Laptop Per Child
http://laptop.org/index.jp.html
こちらは399ドルを支払って、1台を発展途上国の子どもに、1台を自分の子どもに、という「1台あげて1台ゲット・キャンペーン」を行っています。OSはやはりLinuxです。Intelも「Classmate PC」という似たコンセプトの製品を作っているそうですね。日本でもこうした製品が発達障害のある子どもたちを含め、コンピュータによる支援を必要とする人たちに届くようになるといいですね。私もまずはEeePCから、入手してみようかなと思います。
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