2008年11月9日日曜日

テキスト入力専用機で書字の困難を支援する

なんと文具メーカーのKingJimから,テキスト入力だけに特化した機器が11月10日に発売されることになりました。このニュースが発表されてすぐ,ある書字に困難のある子どもさんのお母さんから「こんなの出るよ」と教えていただいて,すごく驚きました。まさか日本のメーカーからこんな素晴らしい製品が出るとは!

私たちも書字に困難のある子どもに,パソコン上のワープロソフトやソフトウェアキーボード,チャットソフトなどを使って,文章を綴る楽しみ,文字で誰かにメッセージを伝える楽しみを早いうちから感じてもらうことを実践しています。

文字を書く訓練にこだわるあまり,その先にある文字を通じたコミュニケーションという目的やそこにある楽しさが感じられず,文字に関わること自体がトラウマになってしまうことがあってはならないと思うからです。ところが勉強の場面では,学校になかなかパソコンを持ち込めないという現実を悲しく感じていました。

ポメラは本当に「文章の入力と記録だけしかできない」ので,ペンやノートなどの文房具と同じようにとらえられ,学校場面にも持ち込むことができるのではないか,という期待があります(同じコメントを前出のお母さんからもいただいています)。価格も定価で2万7千円,実売では2万円を切る値段になるようです。


デジタルメモ帳「ポメラ」——文庫本サイズのテキストエディタ登場
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/21/news075.html

「ポメラ」関連のニュース
http://news.google.co.jp/news?q=%E3%83%9D%E3%83%A1%E3%83%A9


本当は,教育場面でもパソコンを持ち込んでその子どもの困難さに合わせたソフトウェアを使えるようになるといい,と思うのですが,なかなか壁は厚いですね。そんなときに,こんなニュースを見つけました。


インテルと内田洋行、ICT 教育の普及に向けて柏市の公立小学校2校で実証実験
http://japan.internet.com/public/news/20080807/4.html


企業が支援して,学校場面にパソコンを導入する試みはまだ始まったばかりです。上記の記事のような大規模な試みが継続的に行われよう,応援したいです。

ただ気になるのは,パソコン導入の目的として「反復訓練」に重きが置かれている点です。学校教育の場面からパソコンが導入されることで,ネット利用や機能代替・拡大ソフトウェアが利用できる可能性が生まれます。その可能性を生かすことができれば,学習面に様々な困難ある子どもが皆と同じ場に参加できるようになるという効果も生まれます。さらに,そうした拡大・代替で生まれる,これまでになかった「新しい知」を感じられる場にもなるでしょう。それを見抜いて記録する受け皿を,教育を実施する側に用意しておいて欲しいと思います。ただのパソコン・ドリルで終わるだけではもったいないです。






2 件のコメント:

むーんらいず さんのコメント...

僕は、ブログを書いているので、
外でも文章を打ちます。
でも、携帯電話でのブログ更新は
結構厳しいです。
なので、AlphaSmartの購入も
考えていましたが、
今となっては、ちょっと古い感じも
否めない。
が、ここでポメラが出たことは、
僕にとってはすごくエポックメイキングな
ことだと思います。

日本語変換もATOKがおごられているし、
プリンタのついていないワープロといっても
良いぐらい。
AlphaSmartよりはるかに小さいけど、
MiniSDに文書を保存できるし、USBでPCとも
繋げるんだって。
でも、残念なのは、今のところは、
USB接続は、WindowsXP、Vistaにしか
対応してなくて、
Macとは直接繋げられないこと。
でも、.txtで保存されるのだとしたら、
メモリカード経由でデータを取り込むことも
できる訳だから、すごく便利です。

今度、お金を稼いだら、買いたいなぁ、
と思いました。

ぼくは、ADHDかつアスペなので、
言葉で表現するのは苦手だから、
文章で表現することが多くて、
こういうものができてくれてうれしいです。

TK さんのコメント...

むーんらいずさん,コメントありがとうございます。Macでもファイルの読み込みはできるみたいですよ。au携帯となら簡単に連携できるハックもあるそうです。なんやかやでまだ入手していないので,はやく使ってみたいと思ってます。本当に期待できるツールです。使ってみるのが楽しみですね!