2007年11月17日土曜日

読み障害を支援するカラーフィルムをパソコン上で実現

ディスレクシア(特に読み障害)のある人に対して、「カラーフィルム」が有効な場合があると言われています。

まだそのメカニズムはよくわかっていないようですが、読み障害のある人の中には、色知覚に異常がある場合があり、それが文字の読みにくさにつながっているという説があります。そんなとき、文書が印刷された紙の上に、色つきのフィルムを乗せると、文字が読みやすく感じられるそうで、実際に海外ではそのためのフィルムが販売されている例もあります。

通常、文書は「白地に黒」で印刷されていますが、カラーフィルムを乗せることでコントラストを変えると、「文字が眼に刺さるような感覚がなくなって読みやすく感じる」という読み障害のある人の話を私も聞いたことがあります。またどの色を使うと見やすくなるかは人によって随分違うとのこと。

パソコンを使っているときにも、当然同じ事が起こります。以下のツール(「如意スクリーン」Windows用のフリーソフトです)はもともと、まぶしさを感じやすいく、画面を最低輝度にしてもまだもっと暗くしたい人のために作られたツールだそうです。画面全体に好みの色のフィルムをかけたような効果を与えることができます。フィルムの透明度も自由に操作することができます。ひょっとすると、読み障害や視覚に過敏性のある人から意見を聞いて作られたものなのかも、と思えるほど、読み障害のある人のカラーフィルタとしてぴったりのソフトで、ネット上で発見したときは本当に驚きました。

以下の画面例では、濃い緑のフィルタをかけてみました。色の選択はお好みで好きな色を選べますし、フィルムの透明度も自由に調整できます。パソコンを使っているときに、どうにも疲れやすいとか、まぶしすぎて画面が見にくいとか、字が読みにくいと感じている人は、ぜひ試してみてください。



如意スクリーン
http://soft.edolfzoku.com/nyoi/

<追記:11月22日>

書き忘れていました。「読み障害のために」と書いていますが、これは一般的なディスレクシアタイプのLDだけではなく、感覚過敏などのために読みにくさを感じている発達障害のある人も含まれます。コメントに視覚的な過敏性のあるアスペルガー症候群の当事者の方からコメントをいただいて、そこをきちんと書いていなかったことに気づきました。過敏性があるために、画面をまともに見るのがつらい方も、ぜひ試してみてください。

2 件のコメント:

moby さんのコメント...

コンバンハ、初めての投稿です。
私の友人(AS)は、PCの画面に100円ショップで購入した、黄色いクリアファイルを貼り付けて作業をしていましたよ。
コントラストが軽減されて、使いやすいと言っていましたよー
私自身は、PCのコントラスト&画面の明るさを最小限に落として使っています。
やはりそのままの状態でPCを使用するのは、目にきついですから・・・

TK さんのコメント...

mobyさんコメントありがとうございます。

その方法、確かに良いですよね。そうしたフィルタを活用している人は結構いるようですね。実際に当事者の方から感想をいただけるとなるほどと思います。

有料ソフトなのでここではご紹介しませんでしたが、海外でも如意スクリーンと同種の製品を知り合いが作っていたりします。

世界のLDやASの方が過敏性対策にフィルタを役立てておられるということですね。お友達にもこのソフトをぜひご紹介してみてくださいね。

それではまた。