2万人の障害者を雇用するスウェーデンの国策巨大企業「サムハル」の記事が日経ビジネスに掲載されていました(日経ビジネスは閲覧に無料のユーザ登録が必要でした)。
働きたい者には等しく機会を与える
“障害者集団”、スウェーデン・サムハルの驚愕(1)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090114/182649/
厳しい数値目標が国営企業を鍛えた
“障害者集団”、スウェーデン・サムハルの驚愕(2)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090115/182792/
弱者を変えた冷徹な合理性
“障害者団体”、スウェーデン・サムハルの驚愕(3)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090119/183071/
記事にはサムハルはかつての製造業メインからサービス業メインへの移行で,ある程度,臨機応変に対応できる障害者を重視しているといった記載がありました。となるとそうした対応が苦手とされる自閉症スペクトラムの当事者達にはどのように対応しているのかなど,気になっています。
とはいえサムハルには,障害が軽くて働ける人を優先的に雇用するのではなく,雇用が難しい人から優先的に働けるように,という原則があるようです。これは株主である国が毎年数値目標を設定していてコントロールしているとか。
それぞれの障害者の特性を把握して,グループで組み合わせて仕事に当たることができるようにするとか,精神障害の人がリハビリ的に仕事をする環境を作るとか,ちょうど私たちも内輪で議論していたようなトピックが書かれていたこともあり,何かの機会にストックホルムにお話しを伺いに行ってみたいと思っています。なんといっても「2万人」というインパクトがすごい。
関連情報
日本の皆様へ サムハルAB 代表取締役 イェルハルド・ラーション(他)
http://www.prop.or.jp/flanker/20/20samu.html
大阪のプロップステーションのサイトに,1998年12月と古いものですが,サムハルグループの代表と日本代表の方の挨拶が掲載されていました。日本代表事務所は検索しましたが,ウェブでは情報が見つけられませんでした。
身体障害者の就労状況:その1: SAMHALL( サムハル)の現状:
http://fukushi-sweden.net/welfare/handikapp/2008/samhall.l0802.html
上記のページは,スウェーデンにお住まいの社会福祉士の方のサイトのようです。掲示板の前書きに,スウェーデンが福祉国家として日本から神格化されているが,スウェーデン国内では福祉と教育が民営化されたことを端緒とする問題や批判が大きいこと,さらにその背景にEU連合へ支払う莫大な会費による国家財源の圧迫があることなどが書かれていて興味深いです。日本が偏重する「スウェーデン福祉神話」という指摘はなるほどと思います。
2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/ld/samhall2004/business.html
DINFにサムハルの2004年の年次報告書と題された短いレポートが掲載されています。DINFでは知的障害のカテゴリに分類されていますね。日経の記事を読むと,多様な障害を対象としていると書かれていますから,ちょっと分類が誤解を招くかもですね。それともやはり知的障害者の雇用がメインなのでしょうか。
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